１１８話 じゃれ合い [大野] ページ17
出発の時になっても、松潤に聞かれた事の答えは出なかった。
ソファーから起き上がる俺を見る視線は感じるのに
松潤もあえてもう一度は聞いてこない。
すぐに視線を感じなくなって、逆に俺がそっちを見る。
ほんでいつの間にかその一挙手一投足を目で追いかけてる。
そのうち松潤の口元が緩んでくるから
ふざけたことにして俺も笑った。
潤「何すか(笑)」
「ん。いや」
潤「なんだよ(笑)」
「いや。何でもない(笑)」
潤「めっちゃ見られてるー」
「そろそろアイツら、呼んでくっかな」
潤「会話が急だなぁ(笑)」
俺がさっき眺めてた雑誌を手に
声を抑えてケタケタ笑う松潤。
「あんさ」
潤「んー」
「松潤」
潤「何(笑)」
ようやく合った黒縁眼鏡の奥の大きな目。
俺がじゃれついてると思って笑ってるみたいだから
俺も笑ったまんま
「翔くん会ったら、
会えたら…すげえいっぱい話そう」
そんだけ言った。
潤「はい？」
「会ったらどうするって話」
潤「だとしたら答えになってないんだけど」
「俺だってこれでも考えたんだよ？」
潤「それで？」
「…分かんない(笑)」
潤「(笑)」
「呼んでくんね」
問い詰められる前に立ち上がる。
潤「したら俺、Aちゃんと外出てるよ」
お。意外と簡単に逃がされた。
潤「すぐ来るしょ？」
「うん」
廊下に出ると、薄い壁から二人の声が響いてる。
こんなに笑ってんの久々だな
もう少し、そんままにしたげたい気持ちもあって、しばらく襖に手をかけたまんま
ニノ「そろそろ時間ですね」
相葉「もう行かなきゃか」
気付いてからの動きが早かった二人と鉢合わせた。
ニノ「何してんすか」
相葉「え」
ニノ「え？(笑)いつからいたのよ」
「や、今、ちょうど呼びにきて…」
ニノ「7勝0敗」
相葉「おい言うなってぇ。久しぶりだったんだから」
ニノ「腕が落ちたとかの問題じゃないよもう」
二人が先を歩くから
呼びにきたはずなのに小走りで追いかける。
相葉「あれ？松潤は？」
ニノ「先出てんじゃない？」
相葉「Aちゃんもかな」
ニノ「でしょうな」
相葉「外寒そう〜」
玄関へと相葉ちゃんに続く。
ニノが、急にくるりとこっちを向いた。
「ん、」
ニノ「どんな顔してるか見ました」
「なんそれ」
ニノ「面白い顔してるかな〜と」
「してなくて残念だったな」
ニノ「十分面白いから大丈夫です(笑)」
その肩にこぶしを一発食らわせた。
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ふみちゃん - Rachelさん» コメントありがとうございます＾＾励みになります。更新ペースが不定期で恐縮ですが、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2021年3月15日 17時) (
レス) id: 407866e2e5 (このIDを非表示/違反報告)
Rachel - このシリーズは本当に泣けてきます。すごく感動するお話でもっともっと読みたいと思うので時間がある時に更新お願いします！ (2021年3月14日 13時) (レス) id: 1b01e77981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみちゃん | 作成日時：2021年1月9日 11時
