56話 ページ23
「ククッ...借りてきた猫みたいに大人しくなりやがって」
どこかのバーだろうか、あれよあれよという間に車に押し込まれ連れてこられた先で、とーってもご機嫌な様子でソファに腰掛けるジンニキの隣に座っている私。
「...............」
「おい、その口は飾りか?」
おっといけない、考え事をして黙り込んでいたのがお気に召さなかったようだ、
ジンの機嫌を損ねたらその場で生意気な女だなBANG☆BANGで一瞬でお星様になってしまう可能性もあるだろう、慎重にいけ、私。
「いや、あの、えっと、、」
「何を考えてた?」
「そろそろお家に帰りたいな〜みたいな、」
「あ“?」
はい早速ミスった〜しんだ〜コロコロされちゃう〜
「ていうのは冗談で喉乾いたかもな〜って!」
大量に吹き出ている冷や汗をバレないよう慌てて媚びた笑顔を作る。
「フッ......好きなのを頼め」
「えーっと、じゃあ、ジンで」
いっそわかりやすいぐらいにジンのアニキに媚びを売る作戦である。
ここまでされて気づかないほど私はアホじゃない、十中八九ジンは私を気に入っている。
「ホー、苦いんじゃなかったのか?」
「その苦みがまた、いいのかな、って、」
長い髪の隙間から覗く切れ長の目がスッと細まり私の目線と絡まり合う。
「...........いいだろう、賢い女は嫌いじゃない」
それはつまりこの私の返答が正しかったということだろう、ホッ、、、この場でコロコロということはなさそうだ。
「そういえば今日まだ皆既日食の日じゃないですケド、、」
「問題あるか?」
「ないです、、、」
幸運にもこのバーにいる黒づくめの幹部はジンだけでウォッカだとかベルモットだとかはいない、ジン以外に顔を覚えられてしまう危険性はない。
意外と冷静だなって?多分私以外とこのキャラのこと嫌いじゃなかったんだよね。
今日のところはとりあえず怒らせないようなるべく友好的な関係を築いておきたい、そして願わくば二度と遭遇したくない。
ポケットに入っている携帯にちらりと目をやる。
赤井さん、心配してるだろうか、帰ったらこのことは相談したほうがいいだろう。
少なくとも安室さんにバレるわけにはいかない。
なーんて思っていた時代もありました。
私はすっかり忘れていたのである、今日が超絶厄日だということに。
「ジン、夜に予定外で突然呼び出すのはやめて下さいといつも言っているでしょう、って_______」
「は?」
「え?」
「あ?」
2937人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かるぴん(プロフ) - この作品が忘れられなくて読み返しました!何度読んでも面白すぎます!ふみさん入院されていたとのことですが、体調はいかがでしょうか?続きが見たいなんて贅沢は言わないのでお元気だとても嬉しいです…。 (8月19日 7時) (レス) @page30 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!読む手が止まりません。主人公のキャラがたってて本当に好きです!続きがありましたら是非読みたいです!! (5月10日 22時) (レス) @page30 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - とっても面白いです!!主さんの体調の安定を祈り、更新を楽しみにしております! (2022年12月25日 23時) (レス) @page30 id: 26a70534cf (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしております (2022年5月28日 4時) (レス) @page30 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
Queen(プロフ) - 詩ジンがツボりました笑とても面白くて更新楽しみにしています! (2022年5月23日 21時) (レス) @page20 id: 937f1ef34f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふみ | 作成日時:2018年6月4日 1時