49話 ページ15
この謎の大阪観光も残すところわずかである。
今夜ホテルに泊まったら明日の午後の新幹線で東都へ帰る。
きっと今頃安室さんと工藤パパ扮する沖矢さんがデンジャラスすぎるお茶会開いてて、来派峠では赤井しゃん率いるFBIと公安が追いかけっこをしているのであろう。
はあ、気が遠くなる話である。
宿泊するホテルのバーで詳しくもないお酒をちびちびと飲んでいた私はため息をついた。
視線をあげないままぼんやりしていると誰かの足元が見え、隣に座ったであろうと察する。
座った際にコートのポケットから半分出ていた煙草の箱が落ちるのが見えた。
「あの_______」
反射的にそれを空中で受け止め、持ち主に渡そうと顔を上げた私は、それを拾ったことを盛大に後悔する。
「あ”？」
長い銀髪から覗く恐ろしい目に捉えられ、喉の奥でヒュッと風の通る嫌な音がした。
__________ジンだ。
私はバカなのか、いや神がバカなのか。
なんでこうなる、不運とかそう言う問題ではない。
「あの、これ、ポケットから、、」
お前のとこの裏切り者ズが東都で今まさにティーパーティしてるけど大丈夫そ？なんてことは口が裂けても言えず、私がこの男を知っていると言うことが絶対に悟られないようタバコを差し出す。
「_______礼を言う」
決して優しくはない手つきで私の手からタバコを受け取るとジンはこちらを向かずにボソリと発した。
か、可愛い〜〜〜、！！
なんだこの男は！お礼なんて言えるやつだったのか！！！！！
普通に考えて目立ちすぎるその黒服と銀髪は頭悪いと思ってたけど私の中でジンの株は爆上がりした。
てか、今東都で大騒ぎが起きてんのにあんた呑気に大阪でお酒なんか飲んでて大丈夫なの？割とマジで。
「何見てやがる」
ギロリと視線を向けられ慌ててこの男は平気で何人も罪のない人をコロコロできてしまう男なのだと思い出す。
「イ、イエ、、ナンデモゴザイマセン」
私がコロコロされてしまう前に早いとこ席を立とう、よし、そうしよう。
今すぐ席を立てば怪しまれるだろうからせめてもう一杯くらい頼んでから、、。
バーテンに声をかけ、適当なお酒を頼もうとメニューに目を通す。
「えーーっと、、」
「________ジントニック」
二杯だ。
そうつけたす声は間違いなく私から発せられたものではなく隣から聞こえてきたものだった。
アッやっぱり私コロコロされちゃうってことでおけ？
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かるぴん(プロフ) - この作品が忘れられなくて読み返しました！何度読んでも面白すぎます！ふみさん入院されていたとのことですが、体調はいかがでしょうか？続きが見たいなんて贅沢は言わないのでお元気だとても嬉しいです…。 (8月19日 7時) (
レス) @page30 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！読む手が止まりません。主人公のキャラがたってて本当に好きです！続きがありましたら是非読みたいです！！ (5月10日 22時) (レス) @page30 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - とっても面白いです！！主さんの体調の安定を祈り、更新を楽しみにしております！ (2022年12月25日 23時) (レス) @page30 id: 26a70534cf (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしております (2022年5月28日 4時) (レス) @page30 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
Queen(プロフ) - 詩ジンがツボりました笑とても面白くて更新楽しみにしています！ (2022年5月23日 21時) (レス) @page20 id: 937f1ef34f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみ | 作成日時：2018年6月4日 1時
