Emergency 13 ページ15
ソファに隣り合って座ったところまではいいものの、絶望的な沈黙がAを襲った。
どうにか話題を振ろうと試みるが何を言ったところで昨日のことに繋がってしまいそうで言葉が出ない。
「君と少し話がしたくて来たんだ。君の家に行って見たけどいなかったから、もしかしたらここかなって思って」
何度も言うがこの男の行動力は普通ではない。
こんなにもすぐに居場所を突き止められてしまう自分が、この男の前ではとても愚かで小さい存在のように思えてなんだか情けなくなった。
話がしたい、というのはどう考えても昨晩のことだろう。
私自身なにも整理がついていないのだ、話をしたところで先は見えない。
「昨日のこと、覚えてる?」
「まあ、なんとなく、、、」
「よかった、君の手紙を読む限り一時的な記憶障害でも起こしたのかと思って」
彼が言うとどうしても上冗談には聞こえない。
そのまま彼の顔の横でピラピラと掲げられた紙切れに目をやる。
「!」
それは私が書いた置き手紙だった。
「何か他に言いたいことがあるなら聞くけど?」
ニコリと貼り付けられ笑みを向けられる。
美人が怒ると怖いというのは本当だろう、上っ面の笑みを浮かべる降谷さんがここまで恐ろしいとは思っていなかった。
間違いなく彼は怒っている。
そして私は知っている、こういう場合嘘をついたり誤魔化したりするのが逆効果だということを。
「ごめんなさい、、、」
「何故謝る?」
本当に意味がわからない、という顔でキョトンとこちらを見やる降谷さんは本当に三十路か疑いたくなるほど可愛らしいお顔で、ってそんなことはどうでもよくて。
「私、誰にも言いません。忘れます。絶対に降谷さんに迷惑をかけたりしないですから、、、。だから、、、だからこれからも上司と部下として今まで通りに接してほしい、です」
傷つくことを言われる前に自分から殻を作って最低限の傷で抑えよう。
一息に言い終えると降谷の言葉を待った。
「一つ確認したいんだけど、」
「はい」
「誰が何に迷惑するって?」
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Taniokapi(プロフ) - めっちゃ良かったです!降谷さん好きにはたまりませんね(笑)素敵な小説をありがとうございます! (2021年8月17日 19時) (レス) id: f9db5fc732 (このIDを非表示/違反報告)
未桜(プロフ) - ストーリーがとても好きで一気読みしてしまいましたw折角の面白い小説だと思ったので一つ指摘させてください!12話の絶対零度から氷点下に気温が下がった表現ですが、絶対零度は最低温度の−273度なので逆でないと気温が上がっていると思います…細かくてすみません! (2018年11月16日 22時) (レス) id: 5126538094 (このIDを非表示/違反報告)
響(プロフ) - 後日談が好きすぎてニヤケが止まらずスマホ片手にニヤけてるとても変人になってます…← ふみさんの作品大好きです! (2018年9月13日 18時) (レス) id: 229194c5dd (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - こんばんはー、はじめましてまだ途中ですがとっても面白く、ニヤニヤしながら読んでました! (2018年9月11日 21時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夢主ちゃんの怒り方が可愛い...(昇天) (2018年9月2日 9時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふみ | 作成日時:2018年6月13日 22時