10. ページ10
.
Aごめん。残業で遅くなって、
今日同僚の家に泊めてもらうね
__了解〜
『 へぇ。あっさり、してんねや。』
「 微塵も思って無いと思う。同僚が異性だとか 」
『 幸せボケってやつ？ 』
「 ･･･そんなんじゃないよ 」
本当に、そういうんじゃない。
あの人は何処かでずっと私には自分だけだと
信じて疑っていない＿＿＿
だからあんなプロポーズだって出来ちゃう。
自信がなきゃ出来ない。
『 ･･･俺ん家…来る？ 』
「 ･･･それは… 」
『 ホテル、取ってもええけど。 』
どちらにしたって、
私の答えはNOであるべき。
でも、
一緒に居たいと思ってしまう矛盾。
そっと握られた手の体温は心地よくて
やんわり握り返せば、
そのままぐっと引き寄せられる。
『 どっちか、だけやで。選択肢。』
「 えっ… 」
『 あんたがあの時、選んだ道やろ？ 』
「 私が、選んだ道… 」
『 忘れたなんて、言わせへんから 』
西畑くんは私にチャンスをくれた。
彼から離れるチャンスを。
だけどそれを捨てたのは確かに私＿＿＿
私は、どんなに茨の道でも。
彼が居るこの道を選んで進んできたんだ……
「 ･･･一緒なら、どこでも… 」
私の返事には何も言葉も返されなかった。
そのまま手を引かれて、
タクシーを拾って乗り込んで、
気付けばもう、あっという間に目的地＿＿
その場所に足を一歩踏み入れれば、
好きな彼の香りが漂ってきて、
それだけで胸は高鳴っていた。
『 そんな顔してももう遅いで 』
「 えっ… 」
『 もう、遅い、 』
自分がどんな顔をしていたかは
正直わからない＿＿＿＿
もしかしたら後悔で顔を歪めてた？
少しも家で待つあの人のことを
浮かべないわけではないからこそ、
やはり罪悪感は常にある
でもそんな気持ちよりも、
今、一緒に居るというこの事実が。
私には大き過ぎて＿＿＿
許されないことだ分かっていても。
私は手を伸ばしてしまうんだ＿＿＿
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 782人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fumi(プロフ) - りょうさん» ありがとうございます…！余裕があったら続き書いてみます…！☺️ (9月1日 0時) (
レス) @page47 id: bce4216c10 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結？おめでとうございます！続編楽しみに待ってまーす🫡 (8月30日 23時) (レス) @page47 id: f81b8b1a26 (このIDを非表示/違反報告)
fumi(プロフ) - いちご大福さん» コメントありがとうございます…！わぁ…なんて嬉しいお言葉でしょうか🥲ありがとうございます🥹2人の結末やいかに、、、 (7月17日 17時) (レス) id: bce4216c10 (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福(プロフ) - あ〜続きが気になる。できれば、できれば幸せになって欲しいです。fumiさんの描く大吾くんがめちゃめちゃ好きです！応援しています😊 (7月16日 8時) (レス) id: 141b81de70 (このIDを非表示/違反報告)
fumi(プロフ) - かなっぺさん» 何かイメージ出来るのこんな役ばっかりなんですよ🥹どうしましょ(笑)ありがとうございます🥹2人は幸せになれるんでしょうかね、、、🥲 (6月2日 1時) (レス) id: bce4216c10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fumi
| 作成日時：2023年4月2日 0時
