僕の全てを君にあげる[ naniwa ] (ページ41)

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∟ ◾︎ 葛藤ページ41

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無かったことにするんが、
Aの為なのかもしれへんって
思うところもあった＿＿＿

やけど、そんな生半可な気持ちなんやったら
最初からあんなことしなかった。

だから＿＿＿＿＿

『･･･Aも、無かったことにせんで』

困らせるだろう、そんな事は分かった上で
今やってタイミングで、
やっと本音をぶつけたこの日。

「 ……なかったことにした訳じゃないよ」

『でも、そうしたいんやろ？』

「それが、正しいと思うから。」

『正しいってなんやねん… 』

分かってる。ホンマはちゃんと。
あかんことやってことも。
バカな俺にもこれくらいはさすがに。

「恭平は、私の大切な仕事仲間。」

『・・・・・・』

「それ以上でも以下でもない。」

『 …嘘やんな？』

「嘘、じゃない」

視線は逸らされて、
これ以上何も言うなという圧さえ感じる。

お互いの為…？
それとも＿＿＿＿＿＿

でも、一度気付いた気持ちは
簡単には消せへん

「･･･っ！」

『もし、俺の為なんやとしたら、
　そんなん意味あらへんから』

半ば強引に腕の中に閉じ込めて、
そんくらいじゃ諦めへんしって思いで
Aの首筋に顔を埋めた

「 …恭平、」

いつからやろ、Aに呼ばれると
今まで以上に自分の名前が好きやなって
感じるようになったんわ＿＿＿

『なに、』

「離して、」

『いや』

「っ…… 」

そんな顔、誰にも見せてたまるか。
なんて、独占欲やって勝手にわくけど。

でもそれだけやなくて自信もちゃんとあった。
Aは俺のことが好きなんやって＿＿＿

Aが素直にさえなってくれれば。
受け入れてくれさえすれば。
きっと＿＿＿

でも、そんな甘いもんやないって
気付かされるのは意外にもすぐのことで。
現実は思っていた以上に残酷やった＿＿＿

なぁ、なんで？
俺じゃあかんの？

どうして＿＿＿＿

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