◻︎ 軽々しく言わないで ページ36
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長尾くん、と呼ぶようになったのは
本当に最近のこと＿＿＿＿
１番年齢も離れてるわけだし、
今思えば最初からこうだって全然良かったけど
なんでかあまり仲良くなりすぎない方がいいっていう
変なセンサーが働いてた。
そのセンサーが今も決して無くなったわけではないけど
だって＿＿＿＿
『 Aちゃん、おはよっ 』
「 おはよう 」
『 ･･･？ 』
「 なに･･･？ 」
『 いや？やっぱりタメ口ええなぁって 』
「 なにそれ。笑 」
『 やっと近づけた気がすんねんもん 』
「 ･･･変なこと言わない。 」
顔を覗き込んで、さらっと
何か勘違いしてしまいそうなことを言うもんだから
やっぱり距離を保つんだったなぁと後悔･･･
『 あ、恭平おはよ〜 』
恭「 っはよ〜、」
「 ･･･おはよう 」
恭「 うっす 」
「 あ･･･！そうだ長尾くん･･･ 」
眠たそうな恭平を横目に、
今はあまり深く関わるべきじゃないという予防線が
ちょうどよくこの場にいる
長尾くんに助けを求めるようだった
「 スケジュール確認しとこ 」
『 あ、うん、せやな 』
「 ･･･あっちでもいい？ノートあっちなの 」
『 ？？あ、うん、別にええけど 』
我ながら都合がいいとは思う。
さっきまで距離を縮めるべきじゃなかったなんていいつつ
今はこの場から逃げるように
長尾くんの腕を引いて向かいの部屋まで向かう
「 ごめんね急に、スケジュー･･･『 恭平となんかあったん 』
「 えっ･･･？ 」
『 前からなんか変やなぁとは思っとったけど 』
「 変って･･･？笑 別に何も無いよ？笑 」
『 ･･･そう？恭平はそんな感じや無さそうやけど 』
「 急にどうしたの･･･笑 」
確かに避けるように去ってしまったけど、
そこまで極端ではなかったはず、
会話に変なところだってなかったし＿＿＿＿
『 ･･･俺、結構Aちゃん好きなんやで 』
「 それは私もそ･･･『 ちゃうくて 』
「 ？？？ 」
『 俺の好き、そういうんやない 』
「 えっ･･･？ 」
『 それを分かっとるから距離置かれてるんやと思ってた 』
「 ････ 」
『 俺の好きは、こういう、好き 』
「 ･･･！！ 」
彼には人を惹きこむ力がある。
だから嫌、だったんだ＿＿＿＿＿
「 軽々しく、言わないで 」
『 真面目に言ってる 』
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作者名：fumi
| 作成日時：2024年2月22日 17時
