�� ◾︎ あんたが浮かんだから ページ33
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『 これ、 』
ふと、２人だけになる瞬間があったとき、
そっと手渡したそれは、
少し前に友達と神社に行ったときに見つけたものやった
何かをあげようとか、あげたいとか
そんな気持ちは全く無かった。これはほんまに。
『 へぇ〜〜今って色んな御守りあるんや〜 』
友「 大吾は運転するんやし交通安全とか買っとけば 」
『 せやなぁ〜 』
友「 あ、でもこれ大吾っぽいかも 」
そういって友達が手にしたのが、
今、目の前の彼女がポーチにつけようとしてるそれ。
『 俺っぽい？ 』
友「 うん、デザインとか、しかも7色あるやん 」
『 まじや 』
友「 じゃあ赤で決まりやな〜〜 」
『 ここで違う色選んだらどうなるん？ 』
友「 あかんやろ、それは。ご利益ないわ 」
『 なんでやねん笑 』
・
・
・
そんないつものノリだけで成立しとる会話の中、
ほんまに赤を手に取ったとき、
せっかくやしメンバー分も買うか…？なんて思ってすぐ
ぱっと浮かんだのは＿＿＿＿
『 …… 』
友「 ？？なんで2つなん？ 」
『 …予備？ 』
友「 はぁ？御守りに予備も何もないやんけ笑 」
当たり前につっこまれたけど、
素直に言えるわけなんかもなく。
やって＿＿＿＿
＿＿＿＿「 西畑さんカラーですね。私も赤が１番好きなので 」
＿＿＿＿「 赤の物を身に着けると
不思議と気持ちが上がるんです。ラッキーカラーですかね 」
あんたのことが浮かんで、
持ってて欲しい、なんて思わず買ってしまったなんて。
…言えるわけないやん。
『 なんか嬉しいわ 』
「 そう…です？ 」
『 うん、俺も赤好き 』
実は、俺も同じの持ってるんやでって言ったら
どんな反応するんやろ＿＿＿＿
ちょっとだけ＿＿＿気になって。
こんなんしたら「あざとい」とか言われてまうんかな？
わざと見えるようにチラつかせてみれば、
その視線は明らかに“それ”に釘付けになる＿＿＿
『 ん…？ 』
「 あ、いや、なんでも 」
『 何でもって顔やないけど 』
まあこんなこと言っても
素直に言葉にするわけ＿＿＿「 …お揃い、なんですね 」
『 えっ… 』
「 ちょっと意外でしたけど、嬉しいですっ 」
…負けた。
いつもどこか一枚上手なA。
って、まだ本人にそうやって呼べたことなんか
一度もあらへんのやけどね＿＿＿＿
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作者名：fumi
| 作成日時：2024年2月22日 17時
