◻︎ 御守り ページ32
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『 これ、 』
ある時渡された小さな紙袋。
「 ？？なんですか？ 」
『 開けてみ？ 』
それは、プレゼントという感じではなく
ぱたんと封が折りたたまれたような簡易的なもので、
その中には１つの小さな･･･ストラップ？
「 ･･･これは、、御守り？ですか？ 」
『 そう、畑井さんも俺らと同じくらい色んなとこ行くやん？
移動多い分、危ないことやってあるやろうし。ちゃんと守ってもらわんと 』
「 えっ･･･ 」
深い意味はないのは分かる。
でも何で私になんだろうとか、よりによって彼からってのも
また意外すぎて。
驚きの表情で見つめてしまっていたと思う＿＿＿
『 ほ、ほら、畑井さん無理するやん？ 』
「 前に言われてから気をつけてますよ笑 」
『 うん、西畑チェック逃れてるもんな笑 』
「 はい。これ･･･ありがとうございます。大事にしますね 」
他のメンバーに比べて、少し距離をとって
関わってくれていることが分かるけど、
その距離感は他の子達と距離が縮まっていくにつれて
際立つようにはなっていて。
でも私はこの距離感が嫌ではないし、
ちゃんと仕事なんだとプライベートとの境目がはっきりするから
逆に居心地が良かったりもしていた。
『 それ、メンバーには内緒な？ 』
「 ？ 」
『 俺があげたってこと 』
わざわざ言いふらすなんてことないけど、
でもそういうってことは、
他にあげた人がいないってことなんだろうか＿＿＿
「 了解です。ポーチにつけておきますね 」
『 うん。それ、色んな色あったんやけど･･･ 』
「 あ、そうなんですか？ 」
『 赤、にしてみた。 』
「 西畑さんカラーですね。私も赤が１番好きなので 」
『 え？そうなん･･･？ 』
「 はい、赤の物を身に着けると
不思議と気持ちが上がるんです。ラッキーカラーですかね 」
そんな話をすれば『 なんか嬉しいわ 』って
本当に嬉しそうな顔で笑うもんだから、
つられて私も笑顔になる＿＿＿
『 次、移動やんな 』
「 はい、そろそろ行きましょうか 」
『 あ、ちょっと待って？ 』
そう言って、
おもむろにバックから取り出されたお財布＿＿＿
「 ( えっ ＿＿＿ ) 」
声に出していいのか分からなくて、
ただただ目で追ってしまった私の視界が捉えたもの、
それは、私が今さっきポーチにつけたものと
全く同じ物だった＿＿＿＿
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作者名：fumi
| 作成日時：2024年2月22日 17時
