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『 ちょっと、付き合って欲しいとこあるんやけど 』
「 ･･･？お買い物ですか？ 」
『 ううん、そういうんやないんやけど･･･ 』
「 いいですよ、寄りましょうか 」
そっとスマホに映し出したものを見せれば、
じーっとそれを見つめて、静かに頷いた彼女。
「 人通りが増えてきたら怖いので、
メインのところじゃなくてもいいですか？ 」
『 うん、大丈夫 』
「 じゃあ、あの辺で止めますね 」
『 ありがとう 』
少し奥まった道に車を止めてもらって、
降りたその先にはイルミネーションが広がっていて。
何だかんだ毎年楽しみにしてるもの。
良かった、今年も見に来られて＿＿＿＿
『 ・・・畑井さんは？降りひんの？ 』
「 私はー･･･ここで待ってます 」
『 そんなに人通りないし大丈夫そうやで？ 』
「 ･･･でも、」
『 大丈夫やって、ほら、せっかくやから 』
運転席の扉を半ば強引に開いて、
彼女に向かってそっと手招く＿＿＿＿
迷いながらもゆっくり車から降りてきた彼女の
背中を押して、並木道の綺麗なイルミネーションの
傍に促してみれば。
「 わぁ･･･綺麗･･･っ 」
そこには目を輝かせながら、
沢山の光をゆっくり１つ１つ逃さないように
見つめる姿があって。
『 ・・・・綺麗、やな 』
「 うん、本当に綺麗 」
思わず自分の口から出た“綺麗”という言葉は
イルミネーションに対してやなかったけど。
時間にしては5分くらい。
だけど、そんな短い時間さえ少し特別にも思えて。
お互いに満足して車にまた乗り込んだとき。
俺はなんとも言えない気持ちになっていた＿＿＿
『 ・・・・Aさん 』
「 どうしました･･･って、え？ 」
『 あ〜〜やっとやぁ 』
「 えっ？？？ 」
『 やっと気付いてくれた。 』
「 ・・・え、どういう･･･ 」
『 たまに呼んでみてるの気付かへんからさ 』
そんなに積極的にいかれへん俺やけど。
なんかやっぱり、この人とはもっと仲良くなりたいって
ずっと思ってしまうから。
頑張ってみた結果。
『 Aさんって、俺も呼んでい？ 』
「 あ･･･えっ、、あ、はい。 」
こんなに慌ててる彼女を見たことが無くて
それもまた新鮮で。
それだけやなくって、なんか嬉しかったりもした＿＿＿＿
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作者名：fumi
| 作成日時：2024年2月22日 17時
