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恭平とAちゃんのやり取りに
少しだけモヤモヤしつつ、
その日の撮影を終えた俺たち＿＿＿
明日も撮影があるから、
俺たちが着替え終わってもAちゃんは
スタッフさんと何やら確認中。
「 あー、それは、こっちでお願いしたいです。
長尾の意思を尊重したいので… 」
「 はい、彼も色々考えて作ってるので
こっちの都合で変えたりしたくないので。 」
多分、次の衣装のことなんかな＿＿＿
俺もある程度任せてもらえるようにはなっとるけど、
最終的にはどうしても曲げられへんこともある。
でも、こうやって俺らに近いスタッフさんが
押して押して、通してくれることもあるんよな＿＿＿
「 ありがとうございます！
ではそれでお願いいたします･･･！ 」
さっきまでの真剣な表情から
ふわっとやわらかい表情に変わる。
そんなAちゃんから目が離せなくなって、
『 ・・・・ 』
「 あれ？長尾さんまだ帰られてなかったんですか 」
『 あ・・・今から帰るとこ 』
「 送りましょうか？私ももう出るので 」
『 ええの？ 』
「 いいですよ、車回してくるのでお待ちください 」
俺のほうが年下のはずやのに、
相変わらずAちゃんは堅い話し方で。
やっぱり距離を感じる。
流星くんとか、恭平とは仲ええ感じやのにな〜･･･
Aちゃんが回してくれた車の
助手席に乗り込もうとしたら
「 長尾さん、後部座席にお願いします 」って
ばっさり言われて更に気持ちの下がりに拍車がかかる
『 へーい･･･ 』
「 ･･･いじけないの 」
『 ･･･え？ 』
気のせいやない。
扉が閉まる音にかき消されそうやったけど
確かに今聞こえた＿＿＿＿＿
『 今、なんて･･･？ 』
「 長尾さんってすぐ顔に出るから。
安全対策ってだけなんだからそんな顔しないのって
思っただけですよ〜 」
『 ･･･急にラフやん、、、 』
「 不貞腐れてるの、それもあるの分かってるんで 」
あー、こわ。Aちゃんには全部お見通しなんや。
でも、それなら話早いんちゃう？
『 じゃあ、そろそろええんちゃう？ 』
「 なにがです？ 」
『 Aちゃんって呼ぶのとか、ラフに話す、のとか 』
「 ん〜･･･どうしようかな？笑 」
ミラー越しに目が合ったAちゃんは
ふっと優しく笑って、
その笑顔からまた目が離せんくなった＿＿＿＿
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作者名：fumi
| 作成日時：2024年2月22日 17時
