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「 えっと・・・ 」
『 ん？どっち？ 』
「 じゃあ…コーヒーで、 」
『 大人やん〜〜 ほいっ 』
まだ不思議そうな顔をしとる彼女の手に
そっと缶コーヒーを握らせて、
視線が俺からコーヒーに移った瞬間に
手首を掴んでベンチまで連れ歩いた＿＿＿＿
「 えっ…… 」
『 あんな、これはこの業界の先輩として
伝えておきたいことやねんけどさ 』
「 はい… 」
『 もっと、周りを頼り？ 』
「 ･･･と、いうと…？ 」
『 分かるで、自分では無理してないつもりやろ？
でも、俺には無理してるように見える 』
でもな、そういう時が１番危ないんやで＿＿＿
「 すみません、そう見えてたな…『 ちゃうよ、』
『 隠せばいいってことちゃうねんて、』
「 ･･････ 」
『 家帰ったらさ、気失うように寝てへん…？ 』
「 え… 」
『 図星。アウトやで、それ。 』
少しずつ表情が曇っていく彼女。
別にそんな顔をさせたかったんちゃうんよ。
『 やっぱり、俺ら似てるよな、 』
「 そう…ですかね 」
『 うん、似てる。だから分かる。 』
「 わかる…？ 」
そう、手に取るように分かる。
口で言われたって、頭では理解したって、
そんなに簡単に変われへんことも＿＿＿
『 畑井さんが嫌いなことってなに？ 』
「 嫌いな、こと…虫、見るのとか…？ 」
『 じゃあこれから、あっ無理してる！って
思たら虫握らせるから覚悟するんやで？ 』
「 ･･･へっ？！ぜ、絶対いやです！！！！ 」
『 無理せんかったらええんやって 』
「 だってそんなの、、！ 」
『 西畑基準で行くから厳しいで？笑 』
ホンマに嫌なんやろうなぁ、
すんごい顔して、こっち見とる笑
『 なんちゅー顔してん〜笑 』
「 お願いします、虫は嫌です、西畑さんっっ！ 」
『 どないしよかな〜〜笑 』
屋上で2人、ゲラゲラ笑う俺と、
そんな俺の腕を掴んでゆさゆさ懇願する彼女。
『 っはぁ〜〜笑 おもろいなぁ〜 』
「 笑いごとじゃないですって、、！ 」
『 ･･･わかったって笑 虫はやめたるから＿＿＿
無理、せんといて。ホンマに。心配やねんで 』
素直に伝えれば、
スッと表情が変わったのがわかる。
「 ･･････ 」
『 よかった、ちゃんと伝わったな 』
次の瞬間、彼女は深呼吸をして、
手渡した缶コーヒーに手をかけた＿＿＿
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作者名：fumi
| 作成日時：2024年2月22日 17時
