僕の全てを君にあげる[ naniwa ] (ページ18)

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◾︎ 無理、せんといてページ18

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「いや、それは私がやるので大丈夫です」

「それらならさっきやっておきました」

「あっ、手伝いましょうか・・・？」

さっきから同じ空間におるこの子は、
ずーっと忙しなく動いてる。
そんな彼女を俺はなんで見てるだけかって、
一応“台詞を覚える”っていう時間やから。

数ヶ月前から俺らのマネージャーになったこの子は、
よー働く子、というかよー出来る子で。
容量がええんやろうなぁ、仕事が早いし、機転が利くし
周りのスタッフさんも驚くくらい。

でも、容量がええ分、頼られることも多い。
きっと仕事いっぱいいっぱいやろうに、
色んなこと引き受け過ぎちゃうんかな＿＿＿

そういう背負ってしまいがちなところ、
ちょっと前の自分を見てるようで
なんか無性に心配になってしまうんよな…

『 …畑井さん』

「 ……これはあっちで、これは…『なぁ、聞えとる？』

ずっとタブレットと睨めっこして、
独り言を言うてる彼女の肩にそっと手を置いてみた。

「・・・！」

『あっごめん、驚かせるつもりやなかったんだけど』

「え・・・あ、西畑さん、居たんですね」

『え、俺の方が先にここ居ったで？』

「嘘っ、、すみません、声もかけずに私、、、」

『そんなん別にええけど、、大丈夫なん？』

心なしか涙目な気がする。
前に俺の体調心配しとったけど、
そんな場合ちゃうやん絶対に･･･

『・・・ちょっと話あんねんけど。』

「え・・・大事な話ですか？」

『うん、大事。大事やから今やってること一旦やめて？』

こういえば、作業を中断するのは知っとる。
だって彼女は俺らのマネージャーやから。
俺らのことが最優先。
それはきっと会社からも言われとること＿＿

自分でもどうしてここまでするんか分からへんけど。
ただの１人のマネージャーにしか過ぎないはずやのに。
『ここじゃあれやから』って屋上に連れ出した。

きっと不思議そうにこっちを見てる彼女に背を向けて
自販機でコーヒーと紅茶を買う。

そっと振り向いて
『どっちがええ？』って差し出してみたら
ぽかんとした顔。

その表情は普段あまり見ない顔で、
なんかかわええなぁなんて思ってしまった俺。

あれ、変、やなぁ＿＿＿

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