◻︎ 隠し事は出来ない ページ11
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ある程度、関係性も出来てきて、
今の仕事にやりがいを感じられるようになった。
そう思えるのは、きっと彼らのおかげだと思う。
『 畑井さん、いつもありがとうな 』
本当に周りを良く見てる人。
他の人が気付かないようなところまで気付いて。
私なんかに掛けなくてもいい言葉を、
彼はくれる＿＿＿＿＿
「 こちらこそ、いつもありがとうございます 」
『 別に俺らなんもしてへんやん 』
「 いえ、そんなことないです 」
『 最近は畑井さんに頼りっぱなしやから 』
「 西畑さんが私に頼ることなんて無いじゃないですか。笑 」
『 頼ってんで、結構。これでも 』
「 それは＿＿＿嬉しいです。」
『 なぁ、畑井さんとさ、俺って似てへん？ 』
「 ･･･と、いいますと？ 」
『 ほら、名前も“畑”一緒やし。 』
「 あー確かにそうですね。コンビ組みます？笑 」
『 ・・・？！ 』
「 あ、ごめんなさい 」
『 ちゃうよ、意外やなって、そういうこというんや笑 』
笑う見える八重歯が素敵だなぁ、なんて。
実は思っていることを彼は知らない。
「 西畑さん、ちゃんと寝てくださいね 」
『 へっ？ 』
「 ちょっとですけど…目が腫れ気味かなと」
『 え、嘘やん、ちゃんと治っ… 』
「 ？？ 」
『 …あかんな、誤魔化せへんわ笑 』
そりゃ分かる。忙しいことくらい。
仕方ないことも。
だけどやっぱり、出来る事ならば
しんどそうなところは見たくないわけで_____
『 でも…あんたもやで 』
「 ・・・！ 」
『 最近あんまり寝れてへんって顔してる 』
向かい合わせに座る彼は、
さらっと手の甲をちょんと私の頬にあてて
そのまま顔を覗き込む。
彼と私の似ているところ＿＿＿
きっと、名前だけじゃないと思う。
私は仕事柄ってこともあるけど、
周りの変化に気付きやすいところがある。
それがプラスなこともあれば、
時には疲れてしまうことも実はあって＿＿＿＿
「 西畑さんだけには隠せないですね 」
『 俺だけ？ 』
「 はい、良くお気づきになるので。気をつけます 」
『 別に…見せてくれてもええけど 』
「 え？ 」
『 気抜いたってええんやで、少しくらい 』
向かい合わせに座ったことを、
少しだけ後悔した。
だって、そんなまっすぐ見られたら、
そらせるものもそらせないから＿＿＿
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作者名：fumi
| 作成日時：2024年2月22日 17時
