152. ページ11
.
どうしてそんな優しい顔をしてるのか、
不思議に思いながらもされるがまま私は髪を撫でられていた＿＿
恭平の問いかけに何も言えなかったくせに
最後、髪をかけられ露わになった耳にそっと触れられたら思わず身体がビクッとなる。
ああ、また笑われる、そう思ったのに
その反応を見た恭平は耳からパッと手を離してそのまま顔を覆った
「？？？」
『･･･その反応は無しやろ、』
「えっ、」
『Aってなんなん？』
「どういうこと…？」
『こんなあっさり、引き戻すのってアリなん？』
「なに？私何かしたっ、、＿＿＿！」
気のせいじゃない、確かに恭平の唇が頬に触れた。
あまりに一瞬の出来事で固まっていると、今度はおでこをピトッとくっつけて至近距離で見つめられる——
『分かった？』
「･･･っ、」
『分かったかって聞いてんの』
「わ、分かった、から離れて、」
私が困惑してることは恭平も多分わかっていて
だからか言われた通りスッと身体を離してくれた
一定の距離が出来ても視線は感じて、
ソファの下にへたり込む私を、起き上がって座り直した恭平が見下ろす
『しょぼくれた子犬みたいやな』
「･･･誰のせいよ」
『俺のせい？ほんなら責任持って世話するで？』
「やだよ、雑そうだもん」
『えー？俺めっちゃ大事にするで。犬好きやし。』
「犬じゃないって」
『…Aのことやって大事にできるけどな、』
その言葉を聞いた私はソファに突っ伏した
もうキャパオーバーだった。
嬉しい、嬉しくない、とかもうそんな次元の話ではない。
頭に感じる恭平の手の温もり。
ゆっくり顔を上げればその手は頬に添えられる＿＿
『あのさ、———』
すると恭平の言葉を遮るように扉が勢いよく開いて
物音の方に振り向けば、そこに立っていたのは＿＿＿
「大ちゃん、、？」
まさか私まで居るとは思わなかったのか
大ちゃんの目は一瞬見開いたけど、何事も無かったかのように用件を話し出す
西『そういうことやから、後頼んだで。』
恭『うっす、』
西『＿＿あ、あと…
Aにちょっかい出すんやめてくれへん？』
恭『･･･大吾くん、別に彼氏やないですよね？』
西『せやで？でも嫌やねん、わかるやろ？』
恭『なんやそれ、そんなん俺やって嫌やわ…』
重たい空気の2人に挟まれて。
私はただ、お互いの表情を見つめることしか出来なかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fumi(プロフ) - Daigo0211さん» わ〜！わざわざこちらにコメントありがとうございますっ🥺💓どんな感じにしようか迷ってるのですが…書いていて楽しい作品だったので書きたいなぁという気持ちです🤤❤️ (2022年11月19日 20時) (
レス) id: bce4216c10 (このIDを非表示/違反報告)
Daigo0211(プロフ) - いつも楽しく見させてもらってます。続編あるかも、、、は嬉しすぎます❤️ぜひお願いします🙆♀️ (2022年11月19日 16時) (レス) id: 2f0ef62747 (このIDを非表示/違反報告)
m725(プロフ) - みみかさん» 嬉しいです…！最後までありがとうございました＾＾その後の2人の番外編良いですね、、！需要あれば書いてみようかな…🥺🫶🏻ありがとうございますっ✨ (2022年10月9日 20時) (レス) id: bce4216c10 (このIDを非表示/違反報告)
みみか(プロフ) - 無事に完結できてよかったです！ハラハラしたりドキドキしたりしながら楽しく読ませてもらいました！その後の2人の番外編などをまた書いていただけたら嬉しいです！ (2022年10月6日 0時) (レス) id: 07c2e13fa2 (このIDを非表示/違反報告)
m725(プロフ) - ぴぴさん» いつもありがとうございます🥹💓私も道枝くん報われてくれ…！と書きながらずっと思ってました🥺道枝くんメインのお話また書けたら、なんと思ってます☺️💓応援いただきありがとうございましたっ🫶🏻 (2022年10月5日 10時) (レス) id: bce4216c10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fumi
| 作成日時：2022年8月30日 19時
