崖っぷち家政婦です。

なんということでしょう。 ページ5

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PDおっ。早速ありがとう。僕は代表取締役のパンと申します。単刀直入にお伺いしますが、あなたは海外で働く気はありますか?あなたには韓国に来ていただきたいのです。


電話と違い、やたらと流暢な日本語。

さてはグーグル先生の翻訳を使用しているな？と、どうでもいい事を冷静に考えていた。



ていうか…え？

韓国！？



日本人じゃないのはカタコトでわかってたけど、まさかの海外勤務！家事ごときで！？



韓国か…ちょっと家族に相談するか「行きなさい。」…マザー！？


いつのまにか背後に立っていた母が食い気味に言葉を放った。



母「職歴資格なしの引きこもりニートを雇ってくれる所なんて他に無いわよ。絶対行きなさい。」


「でも私韓国語なんて話せないし、いきなり海外なんて無理だよ…。」



母「無理でも何でも雇ってもらいなさい。どちらにせよ1ヶ月後には追い出すわよ。韓国語わからなくても寮付きの仕事をするか、家もなく干からびるかのどっちかよ。じゃあおやすみ。」



あんた鬼かよ。

言いたいことを言って笑顔で去っていく母。



やっぱり追い出すのは本気みたいで、昨日までの甘い母はまるで嘘のように鬼母と化していた。



もう給料とか休日とか言ってる場合じゃない。


寝る場所と簡単なお仕事が確保できるならやるしかない。




A承知しました。働きます、働かせてください。





こうして私は韓国の家政婦(だと推測)を引き受けたのであった。





その後は謎の宣誓書や契約書、労働条件や渡韓に必要なものの書類その他諸々を自宅に送ってもらい、返信し、1ヶ月後に迫った韓国行きまでとにかく簡単な韓国語を暗記した。



就職が決まってからは、ニート卒業おめでとう！と母はニコニコ

父はビールがなくなる心配をせずに済むとニコニコ

ペットのトウフ(犬)まで尻尾を振って家族総出で厄介払いができる！と大喜びだった。



え、私 一人娘ですよね？さすがに泣くわ。




そうこうしてる内に明日が出発日。


しかも、職場が私の寮でもあるそうで(どゆこと！？)初日から働くはめになったのである。


ちなみに初飛行機&初海外なのは言うまでもない。

来ちゃった、韓国。→←カタコトカタコト。

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