崖っぷち家政婦です。

頼むよ、少年達。8 ページ32

キッチンの隣にある大きなパントリーに、腐りにくい食品やお菓子・野菜など詰めて行く。


ふう、ようやく最後の袋まで片付け終えて一息つく。



久しぶりに箸やビールより重いもの持ったわ。

いや、冗談抜きで。

なんせ箱入り娘だったもんで。まあ別の意味ですが。



それが今や箱から追い出されて7人の下僕に成り下がっているなんて、1ヶ月前の自分からは考えられないよ。

人間ってやればできるんだね。



なんて肩を自分でとんとんと叩きながら考えてたら、背後に気配が！





JN『僕を置いて買い出しに行くなんていい度胸だよね。』


この特徴のある喋り方は、、、ジンさん。



若干声に怒気を含ませているのを感じたので、振り向くに振り向けないでいるとガシッと両肩を掴まれる。


そして、何故か肩をモミモミ。

結構な力加減でモミモミ。



JN『この僕に肩を揉んでもらえるなんてヌナは本当にラッキーな家政婦だねぇ。』


あいだだだ！


あれ？肩に指が食い込んでませんかー！？


なんか韓国語で言ってるけど、たまらずそれを遮って声を出す。



「もう結構です、ありがとうございます！」


JN『そもそも何か最初からナムジュナ贔屓なのが気に入らないんだよ。一番最初に挨拶したの僕だったのにさぁ。あの時見惚れてたでしょ？ねぇそうだよね？かぁ〜っ！やっぱり僕はハンサムだから。ハンサムってほんと罪だよね。』



私の言葉なんて届いてないかのようにペラペラと1人で話しまくるジンさん。

もう我慢の限界である。



「いだだだ！やめろ！！」



思いっきり身を引いて肩に置かれた手から逃れる。

その勢いで前を向いてジンさんを睨み、流れで何故か私の黄金の右足がジンさんの左弁慶に見事に入った。


JN『』


うずくまるハンサム。



そう、私はやられたらやり返す主義なのだ。

我が家の愛犬トウフに噛まれた時も噛み返したし、なかなかトイレから出てこない父には後日トイレ立てこもりを3時間やってやった。


私はふんっ！と鼻で笑って(つもり)パントリーを出た。



パントリーを出たところで、若干怯えてるナムジュンさんと目が合ったけど凄い速さで逸らされてしまった。


見 た な あ 〜 ！

ま、いいや。


さて、料理に取り掛かりますか。

切り替えの速さには自信があります。ええ。

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