崖っぷち家政婦です。

頼むよ、少年達。3 ページ27

キッチンに立つ私とナムジュンさん。


身長差が20センチくらいあるので私を見下ろすナムジュンさんと見上げる私。

そして握られたままの私の手。



「あの…料理を…」


普通ならイケメンに手を握られた！ラッキー！って思う所なのだろうか。


だがしかし。

私はプロの引きこもり(元)。

うまくコミュニケーションが取れない人間なので若干迷惑である。



NJ「ん？料理をしますか？何を作るんですか？僕がサポートしますよ？どうしましょうか？どうして欲しいですか？」


ニコニコしながら質問攻めにするナムジュン さん。

やめてくれ。さてはコミュ障潰しだな？


ニコニコ、ニコニコ…


だが、私はビビりではない。(しつこい)



「…やーっ！」



掛け声と共にニコニコ魔人のほっぺに浮かぶ可愛らしいえくぼに人差し指を突っ込んだ。


NJ「」


ナムジュンさんがとてもびっくりした様子で掴んだ手を離した。


ふふふ。私の勝ちだニコニコ魔人よ。


ナムジュンさんは戦意喪失した様子で目を見開いたままほっぺたを抑えて固まっている。


私は勝利を確信してふんっ！と笑った(つもり)。




(補足:Aさんは長年の引きこもりとニート生活によって表情筋が死んでます。本人は笑ったり怒ったりしているつもりなのですが、周りから見れば無表情に見えています。)



JM「ヌナ〜なにしてるぅですかぁ〜？ぼくもおてつだいしましょおかぁ？」


なんていい子なのジミンさん。

可愛いだけじゃなくて性格もいいなんて最高じゃん。

理想の弟じゃん。



「あ、でもナムジュンさんが手伝ってくれるって。」


JM「ええ！ヒョンがぁ？んふふ、だめでぇす、あぶないよぉ〜？」


まだ料理してないのに危ないってどういう事？



ガシャアァン！


NJ『おっ！』


パリーン！


NJ『あっ！』



……なんで触っただけなのに調理器具が落ちたり割れたりするんだろう？



JM「ねぇ〜？ヒョンは、あぶないの〜。」


んふふ。と楽しそうに笑いながら私に耳打ちするジミンさん。



「ジミンさん、是非お手伝いおねがいします。」


NJ『』


あ、ナムジュンさんがシュンとしてしまった。



「…ナムジュンさんは通訳お願いしていいですか？」


そう私が言うと、ナムジュンさんはわかりやすくパアァ！と表情が明るくなった。


JM「えぇ〜ぼく、にほんご、けっこうわかるよぉ〜。」


今度はジミンさんが少し機嫌を損ねたみたいでふくれっ面になった。



だが可愛さは増し増しである。

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