崖っぷち家政婦です。

ヌナだった。NJ ページ18

NJ side


目の前の女性はAさん。

今日から家政婦として宿舎で住むらしい。


なんで一緒に住むんだ？と思ったけど、この宿舎は入るのも出るのも難しく、なおかつ一緒に住んだ方が色々と楽なんだろう。事務所側が。


前回の家政婦が若い上に問題を沢山起こしたから、今回の家政婦は年配の方だろうと予想していた。


まあ見事にハズれた。

やって来たのは幼さが目立つ地味な女性だった。


引きこもりニートという肩書き&心底面倒くさそうな雰囲気を纏う無表情な彼女に俺達は安心してしまう。

そしてどう見ても年下だろうという外見に皆気楽に接し始めた。

なのに…かなりの年上だった。

しまったな、気が緩んでしまった。



俺達は疲れが溜まっていた。

正直休む暇もあまりない。

宿舎は寝に帰るためだけの場所。

なのに前家政婦のせいで宿舎さえ安心できない場所だった。


そんな時に明らかなる安全牌がやって来たらそれはもう気も抜けるでしょうよ。

ジニヒョンなんてストレス発散にいじめる気満々だったし…。

きっと印象最悪だ…。上手くやっていけるだろうか。

裏アカ作って「こいつら実際はクズやで！」とか暴露されてしまうのだろうか。


色々考えていると、何故か右手をAさんの手で包まれた。


"私の前では気を使わないでいいの。"

(↑いや、言ってません。)


その時俺の目にはAさんに後光がさしてるように見えた。


天使？無表情の天使なのかな？


Aさんは長年の引きこもり生活で太陽の光に当たらなかった肌はユンギヒョンと以上に真っ白だ。


そしてニートで職歴なしという社会の荒波に揉まれなかったおかげなのか顔つきがやたらと幼いのである。


苦労ジワがなくスベスベである。


自分で切ったであろう前髪は眉上でパツンと切り離され、美容院って知ってる？と言いたくなるほど長く黒い後髪はひとつに束ねられている。


なんだろう、顔立ちはひどく地味なんだけど…。

俺は綺麗だと思う。



目をパチパチさせてる間にAさんはスッと俺の横を通ってほかの6人の方に行ってしまった。



今回の家政婦は身元もハッキリしてるし(ヒッキーでニート友達ゼロ)、安心して任せられるかもしれないな。


それにもしかしたら…。

いや、これ以上考えるのはよそう。


久しぶりに優しく包まれた自分の右手を見ながらそんなことを思った。

ヌナだった。JH→←ゴミだめ！5

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