崖っぷち家政婦です。

ゴミだめ！5 ページ17

すみません、お姉さん早とちりが得意技なんです。

ジンさんが冷たい視線で言うもんだから、てっきり…。


無言でキャリーさんを片付けパスポートをナムジュンさんに差し出す。




NJ『本当だ。89年生まれ。』

YG『30歳か。ヌナだったな。』

JH『おー、ヌナだ。しかし年上には見えなかったよ。』

JN『…せっかくオモチャができたと思ったのにぃぃ！』

NJ『ジニヒョンその性格直して下さい。絶対テレビで出さないでくださいよ。』

JN『家ぐらい良いでしょ！』


年長組であろう4人がパスポートを開きながらブツブツなんか言ってる。


こえーよ、まさか初日でクビに…？


そして年下組であろう3人は私をチラチラみながらコソコソ話している。



JM『えー…めっちゃヌナじゃん。同い年か1個下ぐらいだと思ってたよ。』

TH『ね、ね。あんなに童顔で30歳って韓国じゃまずいないよね！そういえば化粧っ気もないし。あの肌は自前なんだね！』

JK『俺、睨まれた…。』



…なんだかボッチが過ぎるので掃除に没頭することにした。



壊れたガラクタを捨てて、観葉植物達を元に戻し、掃除機をかけ、仕上げにクイックルワイ○ー的なモノで拭きあげた。



なんと言うことでしょう。

私リビングに住む！


大理石の床がピカピカと反射してとても綺麗。

なぎ倒された観葉植物たちに水をあげて私チョイスの場所に飾ると真っ白な壁と床に緑が映える。


後は高価そうな皮のソファー達を固く絞った雑巾で拭きあげたら、もう完璧。


達成感に浸っていた私の目の前に、いつの間にかナムジュンさんがイン。


NJ「Aさん、申し訳ありませんでした。」


へ？

7人を見てみると皆気まずそうな、申し訳なさそうな何とも言い表しがたい顔をしていた。


NJ「年上の方にあるまじき態度をとってしまったので…」


…あ、そうか！

何かの本で読んだな。


韓国人は目上の者に対しての上下関係が厳しいって。

日本ではそんなに重要じゃないから気づかなかった。


「あー、全然気にしてませんよ。というか私雇われた身だし。それに家の中で気を使うのは窮屈じゃないですか？というか私のことは毛ほども気にしないで。」


私はできるならば透明人間になりたい。


むしろ話しかけなくても大丈夫です、の意味を込めてナムジュンさんに握手を求める。


だって、一生懸命難しい日本語を考えて手を激しく動かしながら説明してたんだよ。

なんか、かわいそうになっちゃって。


あれ？これ母性じゃね？

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