ナムジュンくん、忘れ物ない？【完】

壊れたメガネ。5 ページ8

NJ「A…。」




すぐ後ろからナムジュンくんの掠れた低い声が聞こえてドキリと胸が鳴る。


『び、びっくりしたぁ…！どうしたのナムジュンくん。』


私は咄嗟に重ねられたナムジュンくんの手から自分の手を抜いて、振り向いた。


NJ「ねえ…あの人誰？」


ナムジュンくんは少し眉毛を下げて私を見ている。


『あの人？何の話？』


NJ『タクシーから一緒に降りてきた男。』



『…あ、ジソナ？てかナムジュンくん、メガネ屋さんに居たの？それなら声かけてくれれば良かっ』

NJ「ねえ、彼氏？」


えっ


『ナイナイ！ジソニは私の同期だよ〜！』


NJ「でもすごい仲良さそうだったね。」


『そりゃあ、私達たったふたりしかいない事務員だし…』



てか、ナムジュンくん私に彼氏が出来たと思ったの？

この反応って、もしかして……



NJ「1番仲良いのは俺だと思ってたのに…Aめっちゃ楽しそうに笑ってて俺、ちょっとショック。」


そ、そっちか〜〜〜


はいはい、そうですね、1番の親友ですよ！


『…何言ってんの、ナムジュンくんが私の親友じゃん。』


NJ「そう……だよな。うん、Aは俺の1番大切な友達だよな！」


ナムジュンくんが一瞬考えるような素振りをしてからいつものようにエクボを見せてくれる。



1番大切な友達。


また再確認してしまった私はそろそろHPが0になりそうだったので、早々にお暇することにした。



『じゃあね…ナムジュンくん…。メガネ、ちゃんと確認してね…。』


NJ「ありがとうA。助かったよ！でもちょっと…あの…、」


『今度はなに…どうしたのナムジュンくん。』


NJ「あのさ、これ、なんか俺ボーッとしてて全部倒しちゃったみたいで、玄関…片付け手伝ってくれないか…？」



誰か、私に回復魔法をかけてください！

〇月〇日の日記。→←壊れたメガネ。4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す