アイスとユンギ。2 ページ46
YG「もうお前、ここで食え。」
ユンギが公園の前で足を止めて私を見下ろす。
A『ね、ねえ！さっきのって…』
YG「わかったから、ほら。ベンチに座ろう。」
ユンギが私の手を引いて、ベンチに座る。
YG「食えよ、また落とすぞ。」
A『う、うん。』
私がアイスを齧るのを見て、ユンギが話し始める。
YG「俺の能力、"命令"。」
A『なにそれ…はっ！もしかして今朝のマンネ達の聞き分けの良さはユンギの力だったの！？』
YG「まあな。人の行動をある程度は強制出来る。あ、人以外もイケるな。でも出来ない事の方が多いかも。」
A『例えば？』
YG「何もない所から何かを作る事は出来ない。例えばお前がそのアイスを全部食った後に新しくする事は出来ない。」
A『永遠にアイス食べれると思ったのに…。あっ、でも全部食べなければ元に戻せる…ほぼ永遠に食べれるじゃん！』
YG「(呆れ)」
A『続けて下さい。』
YG「それと…そうだな、記憶は操作出来ない。ま、記憶に関してはジニヒョンが出来るから俺が出来なくてもいいんだけど。」
A『さらっと恐ろしい事を言うのね。』
ユンギが私をじっと見て、頬を触る。
YG「…死を無くす事も出来ない。1番望む事を実現出来ないなんて何の為の能力だよな。」
凄く辛そうに顔を歪める。
A『ユンギ…？』
YG「まぁ、俺のはそんなに便利な能力ってワケでもないんだよな。」
ユンギが私の頬から手を離してデコピンをする。
A『いだっ！』
YG「食ったな、帰るぞ。」
ニヤッと目を細めて笑ったユンギが私の手を握って引っ張った。
YG「手、冷た！お前冷え性なのにアイス食うから。」
ユンギが私の手をギュッと恋人握りをしながら、上着のポケットに突っ込んで文句を言う。
チラリとユンギの横顔を見ると、視線に気付いたユンギが私を見下ろす。
YG「何だよ。」
口からはいつもぶっきらぼうな言葉しか出てこないけど、行動はいつも誰よりも優しい。
そんなユンギの温かさに触れた気がして。
指先から熱が巡って、私の体は一瞬でポカポカになった。
〜帰り道でのハナシ〜
A『ねえ。そういえば私、ユンギの鱗粉食べたんだよね…？』
YG「お前の身体の中に俺の一部がいるんだな。なんか興奮する。」
妖精って変態が多いのかな…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たるぎうゆ(プロフ) - 破壊神と希望さん» こんばんは、コメントありがとうございます！面白かったと言っていただけて嬉しいです！またお時間ある時に他の作品もよろしくお願いします^_^ (2022年1月31日 0時) (
レス) id: a4e68f895a (このIDを非表示/違反報告)
破壊神と希望 - 「女子力上げろよ、ブス。」は辛辣ですね。ｗｗｗｗｗｗ面白かったです！他の作品も見てみます！！ (2022年1月19日 22時) (レス) @page4 id: 929eb11238 (このIDを非表示/違反報告)
たるぎうゆ(プロフ) - ただのねこ。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！私生活が忙しすぎてなかなかこちら更新できず申し訳ありません〜泣！コメント励みになります！亀更新ですがよろしくお願いします！ (2021年11月1日 22時) (レス) id: a4e68f895a (このIDを非表示/違反報告)
ただのねこ。(プロフ) - はじめまして、家政婦の話から飛んできました！！たるぎうゆさんの書くお話めちゃくちゃ面白くてを気に入りです🥰これからも面白いお話楽しみにしてます！！ (2021年10月18日 14時) (レス) @page11 id: d97119f7f9 (このIDを非表示/違反報告)
たるぎうゆ(プロフ) - あっとゆんぎゃさん» こんばんは〜！いつもありがとうございます(*^^*)ナムのお話も続きが書けたらなと思っております笑ピョンテばっちこーい！笑 (2021年9月23日 20時) (レス) id: a4e68f895a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たるぎうゆ
| 作成日時：2020年7月31日 20時
