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姫が七人 ページ8

睨む千華は、斎藤の刀を素手で掴み上げた。


斎藤「?!お、おい!」


突然のことに皆んな動揺して、千華を見る。


千華『なんだ?こんなことされる訳がないと思っていたのか?生憎、俺はこの程度で怯むほど軟弱者ではない』


刀を掴んだまま鋭い目つきで語る千華だが、その手からは血が滴り落ちていた。


近藤「分かった!分かったから、その手を離すんだ!」

千華『……』


スッと近藤を横目で見てもう一度斎藤を見ると、少し呆れた様子で手を離す。


千鶴「す、直ぐに手当てを!」

千華『要らぬ。さっさと帰らせてもらう』

藤堂「あ、ちょっと!待てよ!」


藤堂に呼び止められ、不機嫌を隠さない顔で振り返る。


千華『なんだ?』

藤堂「手当てぐらいしてけよ!いてぇだろ!」

千華『この程度痛くない。では』


今度こそ出て行こうと障子に手を掛けた時……


?「千華様!お探し致しましたよ!」

千華『雹翠……』


天井からストンと降りてきた雹翠に、新撰組の面々は驚き、千華は面倒くさそうな顔をした。


雹翠「私は昔から申していた筈です!お一人で行動なさる場合は必ず!暮れ六つ時には帰って下さいと!」


凄い勢いで千華を怒る雹翠に、戸惑いがちに近藤が声を掛ける。


近藤「ちょ、ちょっと待てくれませんか?」

雹翠「っ?!貴方方は?」


近藤達の存在に気づいた雹翠は、すっと落ち着いて聞いた。


近藤「私達は新撰組の者で、局長の近藤勇と言います」

雹翠「新撰組、何故新撰組が千華様と?」


その場に正座をして聞く雹翠に、近藤は表情を少し緩めて、先程までのことを説明した。


雹翠「成る程。そう言う事でしたか。突然の無礼をお許しください」

近藤「あ、いやいや!こちらこそ申し訳ない。時間も気にせず、千華さんと話し込んでしまい」


二人して頭を下げて謝罪を述べる光景に、沖田はふと気になったことを聞く。


沖田「それよりも、雹翠さんさぁ。さっきから千華様って言ってるけど、二人はどうゆう関係なんです?」


沖田の問いに、雹翠は頭を上げて真っ直ぐに視線を合わせて答える。


雹翠「私と千華様は、主従関係にあります。千華様は九州のとあるお家の姫君にありまして、私は千華様をお守りする側近兼護衛です」

千鶴「お姫様だったんですか?!」


ばっと驚いた顔で見てくる千鶴に、千華はさっと顔を晒した。


雹翠「驚くのも無理はありません。千華様は幼い頃からこうですから」


二人の反応に、雹翠は苦笑いで答えた。

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- オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月13日 8時) (レス) id: fcdf03a087 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:加州蛇桜 | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2018年7月13日 8時

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