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魚と桜 ページ1

ブゥーンッ ザワザワ ピーポーピーポー


外から車や人々の行きかう騒めき、何処かしたらやって来た救急車の音が聞こえる早朝。

とある少年は、高層マンションのロビーを抜け、エレベーターに乗り込んだ。




「…必要なモンは、揃ってるはずだ」




エレベーターの中で、手に持っていた袋の中身を確認する少年。




「ヨーグルト、ゼリー、粥の素、茶漬けの素、牛乳に、野菜ジュース」




少年が持っている袋の中身は、すべて同じ種類の物が2個ずつはいっている。




「あ、あと、処方された薬」




最後に少年の手から取り出されたのは、大量の錠剤タイプの薬。




「起きてっかな?」




ふと見上げたエレベーターの階数は、最上階間近へと迫っていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガチャッ キィーッ


慣れた手付きで鍵を開け、中へと入る。

入った先の部屋は、全てカーテンで締め切られており、外からの光を遮断している。

カーテンを開けることなく少年は、部屋の電気をつけ、持ってきた食品類を、リビングに備え付けられている大きな冷蔵庫へと入れていく。



「ん、ちゃんと食ってるっぽいな」



冷蔵庫の中身は、見た目とは裏腹に物が少なく、入っていたとしても、この部屋の家主が作ったケーキのみである。



「さて、起こしに行くか」



軽い足取りで、少年はこの部屋の家主が眠っている寝室へと足を向けた。

魚の起床→



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作者名:リンネ | 作成日時:2021年12月23日 23時

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