次の新規参加勢は典型的な地雷女でした。 (ページ1)

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伝　説　の　始　ま　りページ1

「はい！どうもこんにちは！KUNです」

「おいつぶ！ざけんなお前ww」

「あー…れてん君、お友達は？」

「ふははははwww」

目の前の㍶から発せられる声。

大丈夫。

ネタもたくさん用意した。

動画もたくさん見た。

面白かったところはなんで面白かったのか、いろんな参加勢の分析もした。

ツイッターも、youtubeのチャンネルもちゃんと作った。

これだけしたんだからぜったいにKUNさんも笑ってくれる。

きっと、著名になれる。

きっと、きっと、大丈夫

私はどくどくと鳴りやまない心臓を強く抑えながら自分にひたすらそう言い聞かせた

それでもいっそう強まる胸の鼓動。

それを抑えるため、私は深く、大きな深呼吸をした

「ふうぅ……」

気持ち的に少しだけましになった気がする

少し落ち着いたところで
ふと㍶の画面を見ると右下に何やら通知が来ていた

【discord】
○KUN 20：54

準備できたからそろそろ鯖入っとけ

機械音痴の私が初めて入れたdiscord。

その一番最初にやり取りした人がyoutube登録者数百万人越えの大御所だなんて。

私はそのことを日本中に、いや、世界中に自慢してやりたいくらい嬉しかった。

興奮しながらも、すぐ返信しなくては失礼なので『分かりました。入っておきますね。』とだけタイプ。

そしてEnterキーを二回押して、discordを終了させた。

部屋に張り詰める静寂と少し湿った重たい空気。

…私、参加勢になるんだなあ…

いつも画面越しでしか見れなかった、KUNさんの笑顔。

それがいつも身近で見れるようになると思うと…

考えただけでも胸の内が熱くなる

完全にヒート状態の自身の頬を自分両手で包み込んでみる

一瞬自分の手の冷たさに驚いたが、いまさらそんなことどうでもいいって思えるくらい興奮してた。

そして㍶は数秒ぶりっこみたいなあほなことしてる私の姿を映したのち、ホームへと戻った。

みなれたMinecraftのアイコンが視界に入った時さらに覚悟を固める。

「私なら、いける。大丈夫。」

今までの張りぼての自信じゃない。

自分の、心からの、本心だった。

「頑張れ、自分」

そうとだけ自分に云い残し、

『カチカチッ』という軽快な音だけが部屋に響き渡ったー

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