不滅の愛を 2【煉獄杏寿郎】

98.※秋の夜長 ページ48

※ 大人な回です。
　苦手な人はとばしてください。



　食事が終わり、

　椅子に腰掛けて外の景色を眺めていると、

　食事の時に邪魔になるからと

　まとめていた髪を解かれた。


「おいで。」



　杏寿郎さんはそう一言だけ言うと、

　綺麗に敷かれた布団の上に腰を下ろす。



　私は加速する心音を鎮めるように胸に手を当て、

　椅子から立ち上がると、杏寿郎さんの横に腰を下ろした。



　杏寿郎さんは部屋の電気を消す。


　部屋を灯すのは間接照明だけになった。



　すると、頭に手を添えられて優しく押し倒された。




「…A、愛している。」



「愛しています。」



　目を閉じてその唇を待つ。


　しかし、唇が触れたのは首だった。



「んっ…」



　舌を首筋をなぞるように這わせると


　鎖骨より少し上のところに降りてきて…



「…このあたりだな。」


　杏寿郎さんはそう言うと勢いよく吸いついた。



「んあっ…！！」



　思わず手に力が入るが、拘束されて何もできない。



「…っん…はぁ…


　君はどこでも…寝てしまうからなあ…」




「…何の…こと？」



　どこでも…寝てしまう？



「…いや、こちらの話だ。」



　はだけた浴衣の隙間からのぞく


　彼の厚い胸板が私の心を昂らせる。



　首を何度も愛でると、

　今度は唇に噛みつくようなキスを落とされる。


　私は応えるのに必死で…



「ん…」


　キスの音がいやらしく響いて

　その音に私の脳は溶かされてしまいそうになる。



「…可愛いな。


　この唇に触れていいのは…俺だけ。」



「…んっ…杏寿郎さん？


　どうかしたの…？」



　深いキスをしたかと思えば、

　今度は耳を愛し始める。



「…なに、君は何も考えずに俺に愛されていて。


　敵は多いが…


　それは君が魅力的だから…」




　何のことだか分からず、

　ただ襲ってくる愛の波に飲み込まれるまま。



「…もうすぐ頃合いだろう？」

　

「あっ…」



「…これならもう…大丈夫だな。」




　
　心も身体も愛に包まれた私は


　容易く彼を受け入れてしまう。




「…んんっ！！」



　
　色気のある腰使いに耐えきれず、


　息はますます上がっていく。



「…もう…ダメ…」



「…もう…ダメ？

　まだ果てるには早いだろう…？」



「…でもっ」



　するといきなり動きを止めて妖しげな笑みを浮かべる。



「…秋の夜は長い。

　たくさん君を愛そう。」

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