73.心のまま ページ23
涼しくなった月夜の中
熱い吐息が、
今にも溶けてしまいそうな
色めく瞳が、
その全てが美しくて
私は思わず心のままに動く。
「んっ…」
彼の首に腕を回して
何度も、何度も、この心を伝えるように
唇に想いを乗せてキスをする。
「…積極的な君も堪らないなあ。」
「杏寿郎さんが、もっとって言うから…」
杏寿郎さんは私の唇を親指でなぞる。
「もっとって言わないと
君はこうしてはくれないのか？」
そう言う彼の表情は物憂げで、
その目元、口元に私の心は奪われる。
「…さっきのは、自分の心に従っただけです。
杏寿郎さんが言わなくても…
私はきっと同じようにキスをした。」
私の言葉に眉を上げると、
柔らかい笑みを浮かべて、額に唇を当てる。
「君と心を通わせられる俺は幸せ者だ。」
「私もですよ。
こんなにも強く、優しく、心美しい人に
慕情を抱かれるなんて…正直、私にはもったいない。」
「何を言うんだ。
こんなにも素敵な人、そうそういない。
もっと自分に自信をもって。」
私は杏寿郎さんの頬を撫でる。
「あなたの言葉が
いつだって私の心に明かりを灯す。」
灯された心から流れる血に
その温もりを乗せて
身体を駆け巡る熱に私は浮かされる。
「ねえ、杏寿郎さん？」
彼の緋色の瞳に私が映る。
「ん？」
熱い。
熱いの。
それでもなお、あなたの熱に、
「抱いてくれませんか。」
触れていたいのです。
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狐姫(プロフ) - 映画好き人間さん» 楽しんでいただけて光栄です！質問についてですが、お褒めにあずかり恐悦至極に存じますが、全くの一般人です。空想妄想で物語を作るのが好きなので、浮かんだ言葉や設定を繋ぎ合わせております。本当、勿体無いお言葉をありがとうございます。 (7月27日 10時) (
レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
映画好き人間 - 毎日楽しく読ませていただいてます。作者さんの書く煉獄さんは本物の煉獄さんで大好きです。内容も素敵ですし、胸をときめかせながら読んでます。単純な質問なのですが、もしかして小説家ですか？ 小説の内容も表現も凄くて、売られてる小説ぐらい上手ですので……。 (7月26日 13時) (レス) @page48 id: f9c87e3b18 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - nkmrさん» こちらこそ、お読みいただきありがとうございます！寒い時期の温泉良いですよね( ˊᵕˋ ) 続編も引き続きお楽しみください！ (2021年12月30日 10時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
nkmr(プロフ) - 年末の忙しい時期に更新ありがとうございます。続編も楽しみにしてます(･◡･)私も先週温泉に行ったので情景が浮かんでより物語に入り込んじゃいました(*´꒳`*) (2021年12月30日 2時) (レス) id: 1ab27b7589 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - みいさん» みいさん、いつもありがとうございます！デレてもらえるなんて嬉しいです。こっそりデレちゃってください( ˊᵕˋ ) (2021年12月19日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐姫 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/kohime_yume
作成日時：2021年12月1日 20時
