不滅の愛を【煉獄杏寿郎】

8.お見通し ページ8

　ピピピピッ


　ピピピピッ



　んん…朝？


　カーテンが揺れ、光が差し込むベッドの上で


　私は腰の痛みを覚えながら、重たい身体を起こす。


　目を覚ますと、そこには大好きな人の姿。



　杏寿郎さんは手を伸ばして

　優しく私の頭を撫でる。



「おはよう。

　A、昨日は素敵な時間をありがとう。

　身体は大事無いか？」




「おはようございます。

　こちらこそ、ありがとうございます。

　身体は…大丈夫です。」



　するとぐいっと身体を引き寄せられて

　腰を撫でられる。


「痛むのだろう？」


「え…？」


「俺をみくびるなよ？」


　お見通しってわけか…。



「すまないな。


　今日の予定は？」



「今日は午後から市のホールで研修があります。」




「そうか。

　では、朝食を食べたら君を家まで送ろう！」



　朝食か…


　またこうして杏寿郎さんと朝ごはんを食べられるなんて


　なんだか夢のようだ。




「ありがとうございます。


　あの…もしよければ、

　キッチンと食材を使わせてもらってもいいですか？」



「構わないが…君が作ってくれるのか？」



「昨日のお礼に！」



「そうか！ありがとう！とても楽しみだ！」



　杏寿郎さんはそう言うと私をぎゅっと抱きしめた。



「く、苦しいですっ！」



　私は杏寿郎さんの背中を軽く叩くが


　全く離してくれない。




　こんな些細なやりとりがとても幸せに感じる。



　



　


　

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