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Eat me!/grrpen ページ3

※まったりケーキバース


そっと肩を押されて、夕方取り込んだばかりのシーツに身体が沈んだ。お日様の、あったかい匂い。陽光の残滓をたっぷり含んだ白い布に指を這わせながら、私を組み敷いている彼を見上げる。さらさらした金色の前髪から覗く赤い瞳には、分かりやすく欲が疼いていた。

ああ、もう。思わず溜息が零れそうになるのを咄嗟に抑え、ちょっとだけ目を細める。露骨なんだよなあ、いっつも。高級なお店に食事に連れて行ってもらって、私の家に帰って、ソファに座ってワインを飲みながら他愛もない会話をして。ここまでは完璧なのに、ベッドに行ってからが性急過ぎるの。ムードも何も無い、そういうの女の子は凄く気にするのに。
でもまあ、仕方のない事ではあるかも知れない。"フォーク"となって味覚を失くした彼が治療に成功し、殆どの味を発症前と同じように感じる事が出来るようになったのはつい最近の事。それでも甘味、つまり甘さだけはまだ上手く感じる事が出来ないと、彼の主治医から聞いた。私と同じ甘党の彼にとって、それがどれくらい辛い事かはよく分かる。そんな状態の彼からすれば、この世界で自分に甘さを感じさせてくれるのは"ケーキ"である私だけ。そりゃあ治療で食欲を抑えているとは言え、今すぐかぶり付きたくなるのも無理からぬ事だろうが──

「……やるの?」

否定的な響きを持たせないよう、なるべく平坦な声を意識して彼に問い掛ける。グルちゃんは何も言わずにじっとこちらを見つめた後、掛けていた眼鏡を外してベッド傍のテーブルに置いた。彼なりの、おねだりの仕方。

「ね、これ。この前グルちゃんが付けた歯形、まだ残ってるでしょ。約束、忘れてない?」
「ああ。……だが、」

ブラウスのボタンを外して胸元を見せると、グルちゃんの表情が少し曇った。どうやら罪悪感はあるらしいが、言い訳めいた言葉はそれ以上続かない。成る程。約束は覚えているが食べたい、と。これはかなり精神的に追い詰められているみたいだ。確かにさっき行ってきたレストランでもあんなに美味しい苺のタルトに手を付けていなかったし、今は食後のデザートが食べたい気分だろう。


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万代(プロフ) - ミイミイー☆(旧アカ3)さん» 初めまして。嬉しいお言葉、有難う御座います…!リクエストの方ですが、只今私生活が多忙でご期待に沿えるだけのものを書く余裕がないため、今回は見送らせて頂きます。大変申し訳御座いません…更新自体は時々しようと思いますので、お暇な時にでも是非お越し下さい。 (2020年5月22日 22時) (レス) id: 41e9c26b05 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイー☆(旧アカ3) - 応援してます!これからも更新頑張ってください!(ちなみに私は箱推しのemさんGirlです) (2020年5月22日 18時) (レス) id: 0f788aa618 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイー☆(旧アカ3) - はじめまして!文章の語彙力と表現力が凄い素敵でした!リクエストいいですか?もしよろしければ疲れた夢主を甘く癒やすemさんとか、ロールキャベツ系男子のemさんとかお願いします!出来なかったらすいません… (2020年5月22日 18時) (レス) id: 0f788aa618 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:万代 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年4月19日 8時

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