ﾟ+｡* WEST-短編集 6 *｡+ﾟ

▲ 病気 * Junta.N ページ12

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「 先生 … 月綺麗だね 、」


中「 おん 、今日は満月やな 」







この子が入院してきたとき

長くないことはわかっていた



けれど 、懸命に生きるこの子に恋をして

いつか終わる恋に恋をしていた






「 先生は …… 私のこと 、好き …？ 」


中「 ああ 、もちろんや 」


「 そっか …… よかった 、」






そう言ってAは一つ涙を残して

無機質な機械音に包まれた







中「 おい 、A！ … A！ 」






あの音が鳴り響いて

何分が経ったやろうか



周りではAのご家族が泣いていて






言いたくないのに

最後の一言は俺が言わなくちゃいけなくて




この恋を終わらせたくないのに

終止符を打つのは自分







中「 …… よく頑張ったな 」







まだまだ子供のくせして

俺の真似してブラックコーヒー飲んでみたり





苦いって言えばええのに

美味しい 、なんて顔強張らせて言ってみたり





悲しいはずやのに

楽しかったことしか頭に浮かんでこおへん







中「 … 助けられへんくて ごめん …っ 、」







今溢れ出す想いは

全部Aへの愛で満ちてる








中「 … 大好きやで 、」








これからもずっと

俺はAへの愛を忘れないよ




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