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「日向！」
突然名前を呼ばれ、チビちゃんは驚いたように足を止めると、不思議そうにこちらを振り返る。
何故急に名前を呼んだのか、俺も不思議に思いながら、そっとAちゃんの横に並んだ。
すると、
「ありがとう」
と、いつもよりも張った声で言った後、ツッキーに向けたものとは違う、嬉しそうな笑みを浮かべる。
一体なんの事なのか、勿論俺も分からなかったがチビちゃんも分からなかったようで、目をぱちくりとさせて、ぽかんとした様子で彼女を見た。
彼女はそんなチビちゃんの様子を見て、くすりと小さな笑みを零す。
その笑みに何かに気づいたのか、ハッと目を開くと、顔いっぱいに笑顔を咲かせて、
「おうっ！！」
と、元気よく返事をし、じゃーな！なんて言って再び俺たちに背を向けた。
Aちゃんはその背中を真っ直ぐ見送り、こちらを振り返って、
「すみません、お待たせしました。アイス、食べに行きましょうか」
と、優しく微笑む。
太陽の白い光が木の枝の隙間から差し込み、ただでさえ輝いて見えるその表情が、更に綺麗に見えた。
俺は神々しい程にキラキラと眩しい彼女に目を細めながら、ああ、と頷く。
そして、再び横に並んで歩き始めた。
「そういや、何かチビちゃんにして貰ったの？」
「え？」
ピタッと足を止めて首を傾げる彼女に、ほらさっきの、と言えば、ああ、と頷いた。
「日向が私の背中を押してくれたんです。…会いに行きたいなら会いに行けって」
「…マジで？」
「はい。だから、改めてお礼を言いたくて。今こうして先輩と居られるのも、日向のおかげですから」
彼女はそう言ってこちらを見上げると、俺に目を合わせて、照れたように頬を緩ませる。
もしチビちゃんが背中を押していなかったらなんて、考えるだけで恐ろしいし、心の中が感謝でいっぱいだ。
奇跡の繋がりのような今に、胸がいっぱいになる。
「じゃあ、今度チビちゃんにお礼しねぇとなぁ」
そう言って彼女に笑いかけて、俺たちはまた歩き始めた。
「ふふふ、そうですね」
「何が好きなの、チビちゃん」
「卵かけご飯だったはずです」
「卵かけご飯かぁ…そういや、今度店できるって言ってたな」
「お店って、卵かけご飯のですか？」
彼女は少し訝しげに、でもどこか驚いたようにそう言う。
「うん、そう。卵かけご飯専門店」
「えぇ…東京ってすごいですね」
何だそれ、なんて笑い合いながら、校舎の中へと足を進めた。
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るわ - この作品大好きです……！クロかっこよい！更新頑張ってください！ (2022年5月22日 22時) (
レス) @page36 id: b608b76010 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - kanaさん» ありがとうございます。まだ本格的に再開はできないのですが、もうすぐ更新再開出来ると思います。長い間お待たせしてすみません( .. ) より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年3月8日 0時) (レス) id: 8a345cf79f (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - おはようございます！このお話大好きです！キュンキュンします(*´-`*)受験頑張ってください！(^^)また更新される日を楽しみに待っています！(*^^*) (2020年7月31日 6時) (レス) id: d202a80bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2020年6月5日 18時
