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部活棟の傍にある体育館から校舎の中へと続く廊下を、Aちゃんの横に並んで歩く。
すっかり調子に乗った俺を、ほんのりと顔を赤に染めながらさっきまで咎めていた彼女は、僅かに嬉しそうな雰囲気を滲ませて足を進めた。
こっち側の校舎は文化祭で使われていないのか、ほとんど人気がなく静かだ。
だが、不思議とその沈黙が嫌ではなく、和やかな空気が俺たちを包む。
…自惚れてもいいんだろうか。
友達にやってもらったというメイクも、短く切られた前髪も、全部俺に会うから…とか。
俺はそんなことを考えながら、彼女を見る。
腕まくりされた白シャツとクリーム色のベストに赤いリボン、歩く度に揺れる焦げ茶色の髪の毛と膝上の丈の紺のスカート、それに、紺の靴下。
音駒の制服もとても似合っていたものの、やっぱり彼女によって着崩された烏野の制服の方が、ずっと彼女に似合っている。
久しぶりに会えた嬉しさと。
こうして制服を着て二人で並んで歩く、制服デートが叶った嬉しさと。
Aちゃんの相変わらずの可愛さと、自惚れだとしても彼女の行動への嬉しさも。
全部全部がとても愛しくて幸せで、気を抜いたらニヤケてしまいそうだ、ヤバい。
必死に平静を保とうとしつつ、彼女にバレないように注意を払ってチラチラと様子を伺った。
文化祭で使われている校舎に近づいてきたのか、少しずつざわざわと騒がしい音が聞こえてくる。
その音に辺りを見回し、もう一度彼女を見てふと気づいた。
制服も違うし、勿論、年齢が変わった訳では無い。
けど、まるで同じ学校に通っているみたいで。
そう思った途端、更に嬉しさが増して一気に自分の顔に熱が集まるのが分かる。
早く冷まそうと手で仰いでいれば、いつの間にか着いていたようで、ガヤガヤとした浮ついた雰囲気に包まれていた。
「先輩、まずどこに…って、顔、赤いですよ？ どうかしました？」
「んーん、何も無い」
こちらを見上げる彼女に首を振れば、少しだけ訝しげに俺を見るものの、早く行きたいのか表情を明るくする。
そんな彼女がどうしようもなく可愛くて、そっと手を差し出した。
「手、繋いで文化祭回ろ」
彼女は恐る恐るというふうに手を出して、少しだけ俺の手に触れる。
そのままするりと彼女の手に自分の手を絡めると、彼女の顔も耳も真っ赤に染まった。
「Aチャン、顔赤いぜ？ どーかしましたカ？」
「…ばか」
「ン？」
「気のせいですっ」
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るわ - この作品大好きです……！クロかっこよい！更新頑張ってください！ (2022年5月22日 22時) (
レス) @page36 id: b608b76010 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - kanaさん» ありがとうございます。まだ本格的に再開はできないのですが、もうすぐ更新再開出来ると思います。長い間お待たせしてすみません( .. ) より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年3月8日 0時) (レス) id: 8a345cf79f (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - おはようございます！このお話大好きです！キュンキュンします(*´-`*)受験頑張ってください！(^^)また更新される日を楽しみに待っています！(*^^*) (2020年7月31日 6時) (レス) id: d202a80bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2020年6月5日 18時
