文化祭と制服 ページ23
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二時間の長旅の新幹線で目的地のある駅に降り立ち、そこからバスに揺られること四十分。
ビルや建物の多かった駅周辺を抜けると、一気に住宅街が広がり、クリーム色の大きな建物が目に入った。
冷房の効いた車内から、その建物の目の前にあるバス停で降りれば、まだまだ暑い九月の空気が、体を包む。
学校であるその建物の門からは、多くの人が出入りしていて、その流れに乗るように校内へと足を踏み入れた。
『烏野高校文化祭』と黒い文字で書かれた大きな幕が掲げられ、校舎に入らずとも賑わいが見て取れる。
俺は邪魔にならなさそうな、玄関口の端っこに立って、LINEを開く。
着いたよ
玄関の外側の端っこにいる
そうメッセージを送ればすぐさま既読がつき、
今から行きます
と、分かりました！という可愛らしい女の子のスタンプと共に、返事が来た。
俺はそのトーク画面を眺め、人の流れを見て辺りを見回し、これから来るであろう相手に想いを馳せる。
ここには通っていないものの、自分の通っていた高校とどこか似ている学校の風景は、東京から遠く離れた地だからか、どれも新鮮に見える。
いや、もしかしたら、彼女が毎日通っている学校だからかもしれない、なんて。
そんなことを考えながら、俺の心はそわそわと浮き足立っていた。
すると、パタパタと右手側から足音が聞こえてくる。
顔をその方向に向ければ、長く下ろした髪を揺らしてこちらに走ってくる彼女の姿が見えた。
「黒尾先輩！」
タタタッと軽やかな足取りでやってきた彼女は、そう声を上げる。
以前までは掻き上げられていた長い前髪が、眉毛辺りまで切りそろえられ、何だか恥ずかしそうに手で髪の毛を整えた。
「Aちゃん。お迎えありがとう」
「いえ、こちらこそ来て頂いてありがとうございます」
彼女は手で前髪をいじったまま、俺の方を見上げてはにかむ。
前髪が出来たことでその姿は以前よりも少し幼く、でも何となく違う雰囲気の表情はどこか色っぽく見える。
太陽の光でキラキラと光る頬に、彼女は化粧をしているのだと気づいた。
「髪型、変えたんだ？」
「バレちゃいました？」
「うん、凄く似合ってる。それに、雰囲気も違うね」
そう言うと、彼女は少し不安げに髪を耳にかける。
「あ…友達がメイクしてくれて。…変、ですよね」
「いーや、すんごく可愛い」
その言葉に、彼女の頬は真っ赤に染まった。
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るわ - この作品大好きです……！クロかっこよい！更新頑張ってください！ (2022年5月22日 22時) (
レス) @page36 id: b608b76010 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - kanaさん» ありがとうございます。まだ本格的に再開はできないのですが、もうすぐ更新再開出来ると思います。長い間お待たせしてすみません( .. ) より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年3月8日 0時) (レス) id: 8a345cf79f (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - おはようございます！このお話大好きです！キュンキュンします(*´-`*)受験頑張ってください！(^^)また更新される日を楽しみに待っています！(*^^*) (2020年7月31日 6時) (レス) id: d202a80bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2020年6月5日 18時
