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一時間くらいだろうか。
ベンチに座って幸せに浸りつつ待っていれば、体育館の方向から少しずつ騒がしい声が聞こえ始める。
もうすぐ先輩が来る…と私の心はだんだんとそわそわし始め、何だかちょっと恥ずかしくなってきた。
…どんな顔して会えばいいんだろ…。
ってか、顔が緩んじゃう、平常心平常心。
ドキドキと、気持ちを伝えた時とはまた違う緊張を感じながら、心の中でそんなふうに唱える。
すると、
「…あれもしかして…Aさん！？」
と、少し近づいてきた声の集団から、一際大きな声がして、私は反射的にそちらを振り返る。
声の主を目で捉えた時には既にすぐそばまで来ていて、最後の抵抗のようにベンチから立ち上がり逃げようとするが、
「捕まえた！！ 何でここにいるんスか！！」
と、あっという間に捕まってぎゅうっと抱きしめられた。
「…内緒。久しぶり、リエーフ」
この力からは逃げられないことを知っているので、私はぽんぽんと背中を二回叩き、そんなふうに声をかける。
リエーフは上機嫌で、
「会えるなんて思ってなかった！ 嬉しい〜」
なんて、呑気に笑って力を強めた。
「ねぇ、分かったから一回離して？ 」
その状態が一分ほど続き、私はそろそろ離して欲しくてリエーフの腕の中から抜け出そうとするが、なかなか抜け出せない。
「苦しいから離してって」
そんな私の抵抗も聞かず、腕の力を緩めないリエーフ。
黒尾先輩もすぐそこにいるし、離して欲しいんだけど！なんて思いつつ抵抗していれば、ぬっと私とリエーフの間に手が差し込まれる。
そして、勢いよくリエーフを私から引き剥がした。
「はい、そこまで。もう離れてクダサイ」
引き剥がされた勢いで後ろにふらついた私を片手で支えながら、先輩はニッコリと笑ってそう言い放つ。
そうして私の腰に腕を回したまま、ぐっと傍に引き寄せた。
「俺の彼女さんだから、ベタベタすんのは禁止」
その言葉にバッと上を見上げれば、彼の口は綺麗な弧を描いていて。
『俺の彼女さん』というワードについ彼を見つめていると、視線を感じたのか私の顔を見て、表情を緩める。
もう色々とショート寸前だった私は、耐えきれなくなって顔を逸らす。
すると、目の前でぽかんと私たちを見るリエーフが目に入った。
「…ホントっスか、？」
「ホント。ね、Aちゃん」
「…本当、です」
その瞬間、ガクンとリエーフが膝から崩れ落ちた。
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るわ - この作品大好きです……！クロかっこよい！更新頑張ってください！ (2022年5月22日 22時) (
レス) @page36 id: b608b76010 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - kanaさん» ありがとうございます。まだ本格的に再開はできないのですが、もうすぐ更新再開出来ると思います。長い間お待たせしてすみません( .. ) より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年3月8日 0時) (レス) id: 8a345cf79f (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - おはようございます！このお話大好きです！キュンキュンします(*´-`*)受験頑張ってください！(^^)また更新される日を楽しみに待っています！(*^^*) (2020年7月31日 6時) (レス) id: d202a80bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2020年6月5日 18時
