neuf cafe ページ10
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もうすぐ、私が上京して一年が経つ。
まぁ上京って言ったって、そんなに離れているわけではないんだけど。
そんなことを考えながら、私はバイト先のカフェのカウンターで飲み物を作る。
最初は覚えきれなくて大変だったレシピとメニューも、今じゃすっかり慣れたもので。
私が一年、ここで頑張ったことを教えてくれるようで、なんだか嬉しい。
人の波が途絶え、私はすぐドリンクを作る用のグラスなどを洗い始める。
洗いながら、バイトが終わってからのことを考えていると、ふとある人のことが思い浮かぶ。
そういえば、もう二十時をすぎているけど、今日はまだ見てないなぁ。
今日は朝の日だったのかな。
そんな風に少し残念に思っていれば、ドアの開いた音がして、そちらを振り返る。
あ、来た。
ちょっと高鳴った胸に見ないふりをしつつ、私はレジに入った。
「いらっしゃいませ」
いつもマスクをしている彼に、私はそう笑いかける。
彼は、いつものようにぺこりと会釈してくれると、マスクの奥で口を開く。
「ホットカフェオレのLサイズをひとつ」
「かしこまりました。四百五十円になります」
彼は私の言葉を聞く前に財布から取り出し、言葉を聞き終えてからお金を出す。
「丁度お預かりします。こちらレシートです。カウンターの方でお待ち下さい」
そう言って手渡してから、私はぺこりとお辞儀をする。
彼も軽くまた会釈を返してくれて、カウンターへと向かった。
彼は、ほとんど毎日来てくださる常連さんで、カフェオレしか頼まない。
私のバイトがない日だったり、時間が被らないと会えなかったりするが、週に四日は会うほど、彼はここへ通っている。
そんなにもここのコーヒーが好きなのだろうか。
確かに美味しいし、私も好きだけど…もしかして、誰かに会いに来てるとか？！
いや、ないない、今時そんなことする人なんてきっといない。
私は一人ふっと笑って、再びレジに来たお客さんに対応する。
そのお客さんがカウンターへ行き、私の場所から彼の定位置が見えた。
今日も、何かの本を真剣に読んでいる。
こんなにも顔を合わせているのに、私は彼のマスクを外した姿を見たことがなかった。
確実に飲むために外しているはずなのに、なぜかタイミングが合わず見れない。
けれど、本を真剣に読むまっすぐな眼差しが、私にとって彼が気になる存在になるには、十分すぎるほどだった。
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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます！ バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (
レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます！ ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています！更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます！ テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります！ (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2019年6月10日 0時
