quarante cafe ページ41
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あの食事以来、私たちは何度か二人で食事をしていた。
会う度にどんどん二人の間の空気が親しいものに変わっていくのが、とても嬉しかった。
「ん〜、美味しいです、この焼きがに！！」
「このかにのグラタンも美味しいよ？」
「ほんとだ、美味しいです！」
吉沢さんと食事をする回数が片手を超えた頃、私と吉沢さんは、かに料理の店に来ていた。
「吉沢さん、かにお好きなんですよね？」
「うん、大好物。色んな所で食べたんだけどさ、ここが東京で一番美味しいんだよ」
そう言って、くいっと日本酒を煽った。
私はそのもう慣れた日本酒の匂いと一緒に自分のお酒を飲む。
「かに俳優のお墨付きのお店、本当に美味しいです。ここみたいに隠れ家みたいなお店を沢山知ってるんですね」
笑いながらそういえば、彼は、
「いや…実は全部教えて貰ったところなんだ。なかなか自分では新しいお店に行かなくてさ、友達に教えて貰って好きになったところばっかなんだよ…」
と、恥ずかしそうに目線を落として、バツが悪そうに苦笑いを零す。
そんな彼に私は思わず笑みがこぼれてしまう。
「…そんな笑わなくても！」
「ごめんなさい。でも吉沢さんが可愛くて、つい」
「恥ずかしいなあ」
そう言って、少し頬を赤く染めて笑う姿も可愛くて、愛しい、なんて言葉が浮かんでしまう。
その言葉に顔が火照ったように熱くなった私は、吉沢さんに悟られないよう残りのお酒をぐいっと飲み干した。
「そんな一気に飲んで大丈夫？」
「大丈夫です。かにが美味しすぎてお酒が進んじゃいますね」
「じゃあ、お酒、追加する？」
なんて、思わず酔ってしまいそうな色気のある大人の微笑みで聞いてきた彼に何だか無性に悔しくなって、
「…それなら、そのお酒ひとくち飲みたい、です」
と、小首を傾げて、彼の目を見つめた。
少しだけ驚いたように目を見開くと、近くにあった新しいお猪口を手に取り、日本酒を注いでそっと私の前に差し出す。
この日本酒を飲んだら、少しでも大人に近づけるような。
吉沢さんに少しでも近づけるような。
そんな気がして。
「…いただきます」
お猪口からコクリとひとくち飲んだ。
初めての味が口いっぱいに広がる。
上手くは言えないけれど、これは…。
「どう？」
「…まだまだ大人な味ですね」
「カクテル、頼もっか」
吉沢さんは何だかホッとしたようにそう笑う。
その笑みも日本酒も私にはまだまだ大人すぎて、喉が痛んだ。
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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます！ バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (
レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます！ ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています！更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます！ テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります！ (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2019年6月10日 0時
