trente-huit cafe ページ39
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梅雨も明けて、本格的に夏の香りがしてきた。
軽く汗ばむくらいに暑い夜の日、かつて私が働いていた、馴染みのあるカフェでアイスティーを飲んでいた。
約束の時間より一時間以上も前に来てしまった私は、そわそわする心を何とか抑えながら、ちらちらと時計を見る。
時計は約束の時間の十分前を指していた。
もう十分前！？
ここに来た時は時間が進むのが遅く感じたのに、急に早くなった気がするんだけど！！
心の中でそんなふうに言いながら、いつでも出れるように準備を始める。
そうして、時間の五分前になった頃にカランと扉が開いて、見覚えのあるマスク姿の彼が現れた。
「こんばんは。待たせてしまってすみません」
真っ直ぐに私のところに来た彼は、そう言って少し申し訳なさそうに眉をひそめて笑った。
「いえ、気にしないで下さい。つい早く来ちゃったのは私なので」
そう言いつつ、照れて笑って立ち上がると、彼は扉の方へと歩き出した。
私もそれに着いていき、扉の外に出ると彼の横に並んだ。
彼は私の歩幅に合わせてくれているようで、思わず目線を下げてしまう。
ちらりと見た彼の横顔は、マスクをしていてもどこか輝いて見えて、私は何だか不安になる。
「…こうして、横に並んで歩いても大丈夫なんですか？ ほら、週刊誌とか…」
「んー、もう少しで着くんで多分大丈夫です。それに、週刊誌が見張るぐらい有名じゃないですよ」
と、飄々として言うので、私はなんだか拍子抜けだった。
「そんなもんなんですか？」
「そんなもんです」
そう言う彼が面白くて私がくすくすと笑えば、彼も釣られて笑った。
そんなやり取りをしている間にもう目的地に着いたようで、ここです、と言って彼が立ちどまる。
普通の民家のような盾構えの小さく、古風なお店だった。
吉沢さんは慣れた手つきで、その戸をガラガラと開けると、
「どうぞ」
と、マスク越しでも分かる、素敵な微笑みで私を促した。
その微笑みにやられそうになっているのを悟られないように、
「ありがとうございます」
と、微笑み返した。
いらっしゃいませ！という声に迎えられて中に入ってみると、思っていたよりも中は広く、カウンターの席といくつかの小部屋があった。
吉沢さんがお店の人と少し会話をすると、奥から店員さんがやって来て、私たちを奥の個室へと案内してくれた。
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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます！ バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (
レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます！ ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています！更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます！ テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります！ (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2019年6月10日 0時
