vingt-sept cafe ページ28
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彼の嬉しそうな笑みに驚いた私は、思わず目を逸らしてしまった。
なに…なに、今の！！！
もしかしてさっきのって、私に向けて、とか？
そんな都合のことを考えて、私は思わず頭を振った。
いやいやいやいや、それは流石に調子に乗りすぎだよ。
こんな大勢の中だよ？ 私ひとりなんか見つけられないって。
きっと、ファンサービスの一環だ！
私はそんな風に、心の中で自分を納得させる。
馬鹿みたいに心の中でそんなことをやり続けていれば、役者さんたちがもう一度だけお辞儀をして、舞台からはけていった。
そして、まだ興奮が冷め切らない会場に、無機質な閉演のブザーが鳴り響く。
ざわざわと会場は熱気にあふれ、出て行く人で列をなす。
完全に出遅れた私は、ギリギリまで居座ってやろうと、椅子の上から退かなかった。
夢のような時間だった。
舞台を観れたことは勿論だけれど、全て最後の吉沢亮さんに持っていかれてしまった。
あの、目があったような瞬間を今思い出しても、ふわふわとした気持ちになる。
舞台と客席、その分厚い壁を私たち二人だけが越えられたような、不思議な気分。
まぁ実際はそんなことないけどね、なんて、一人でふっと笑った。
そして、立ち上がり、劇場を出ようと歩き出す。
すると、ふと手元にあるチケットを見た。
…本当に、そんなことない？
ほとんど会話もしなかった私に、彼は私を探して、こうしてチケットをくれた。
勿論、本当に偶然だし、彼から声をかけてもらわなければ、気づくこともなかった。
でも、彼が私に興味を持ってくれていることは事実だ。
それが特別な気持ちでないとしても、友人として、その分厚い壁を越えられるのかもしれない。
私はその事実に、歩きながらなんだか嬉しくなった。
そんな気持ちのまま、とことこと扉を抜けて広場へと出た。
エレベーターに乗ろうかと思って行ってみれば、そこはまだまだ長蛇の列。
あたりを見渡せば人気のない綺麗な階段を見つけ、私はそこから降りることにした。
我ながらなかなか単純だと思うし、推測の域を出ない話だけれど、こんなにも嬉しい。
どうしよう私。
このままじゃ…
「…あ、竹内さん？」
後ろから、耳馴染みのある声で名前を呼ばれ、私は足を止めた。
そして、ゆっくりと振り返った。
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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます！ バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (
レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます！ ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています！更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます！ テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります！ (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2019年6月10日 0時
