そのよんじゅうに ページ42
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「この前、告白されてたじゃん」
うるうると目を潤ませて、女優ばりの演技をする菅原クン。
澤村はじりじりと距離を縮めてくる菅原クンから逃れるように、少しずつ座りながら後ずさりしている。
「…あれは」
「俺、男だもんね。そりゃあ女の子の方がいいよね」
「スガ…」
一体俺たちは何を見させられているのか。
ふとそんなことを考えてしまい、更に笑いが加速していく。
「俺たち、もう終わり？」
「いや、ちょっ…」
スルッと手を伸ばして、伸びている片方の足に触れる菅原クンに、澤村は焦ったような顔をしている。
「俺のこと捨てるの？ 大地」
「えっ、ス、」
「俺の！ 俺のこと好きなだけ弄んで…ボロ雑巾のように捨てるんだ！？」
そう言い放った菅原クンと、ぽかんと口を開けて何も言わない澤村。
もう面白すぎて、俺たちはそれを聞くや否や、一斉に大声で笑い出した。
「だはは！ スガくん名演技」
「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃ！ 罪な男だねぇ、サームラくん」
全力で笑う俺たちに、澤村は顔を赤くしてぷるぷると震える。
「スガ！！」
「ごめんて！ 大地イジんの面白いんだもん」
悪びれるふうもなく、そう言って笑う菅原クン。
いつの間にか近くにいたAちゃんも、昨日の夜のようにお腹を抱えて笑っていて。
意外とツボが浅いというか、笑い上戸な一面に、またひとつ自分の中に気持ちがつもる。
そんなふうに爆笑しながら、俺たちは五ラウンド目を始めた。
「あ、上がった」
そう言って一番始めに上がったのはAちゃん。
そのままトントン拍子にゲームは進み、今日イチ早く終わったゲームは、最下位が俺。
相手が彼女でむしろラッキー、なんて呑気に、見せられたスマホを覗く。
「結構弱いんですね、黒尾先輩」
「Aちゃんが一位なら、最下位の座は誰にも譲れねぇだろ？」
「…私はそんなのには騙されないですから」
彼女の近くに腰を下ろした俺に、彼女はムスッとした表情で俺を見る。
「そんなこと言って、俺のこと好きなんだろ？」
彼女の白くて細い指にスっと触れれば、驚いたように彼女の体が跳ねた。
「ちょっ…」
だんだん近づいていく俺から逃げるように顔を背ける。
「…だったら、早く俺のもんになれよ」
そう耳元で囁いた。
顔を上げて彼女を見ると、俺とは反対方向に顔を背けているので表情は見えなかったが、下ろした髪から見える耳は、いつかの日と同じくほんのりと赤く染っていた。
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mifulu(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年4月18日 12時) (
レス) id: ab7a8cd136 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 星猫さん» コメントありがとうございます！ ここではなんですので、良かったらボードなどで話しかけて下さると嬉しいです。 (2020年4月18日 12時) (レス) id: ab7a8cd136 (このIDを非表示/違反報告)
る - すごく面白いです、早く続きが読みたくなります (2020年4月18日 9時) (レス) id: 3219097ab0 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年4月13日 18時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2020年4月6日 20時
