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そのさん ページ3

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『事実は小説よりも奇なり』とはよく言ったものだ。

人生、何が起こるかわからない。


排球部に入部したことも。

部活の合宿でGWはずっと、体育館でバレーボールを見ていることも。

今、東京の高校のバレー部の主将さんに話しかけられていることも。

全部想定外。


っていうか、なんで練習試合に来てまで声掛けられないといけないわけ?


なんて、練習相手である音駒高校の主将さんにニコニコしながら思う。

トサカのような変な髪型に、少しだけ目つきの悪い目もと。

感じの良さそうな笑顔で話しかけてくれるが、何かこう胡散臭い感じもするし、私の苦手な軽そうな印象が強く残る。


別にここでこんなに愛想良くしなくて良いとは思うけれど、『ゴミ捨て場の決戦』という昔からの因縁の相手らしく、いざこざを起こすのも面倒くさい。

かといって、話したい訳でもないので、話は聞きながら膨らませないを貫き、これ以上はもういいでしょオーラを滲ませる。

ニコニコと続く無言の攻防。


…もうそろそろいいかな。


そう思って、お辞儀をして立ち去ろうとした時、主将さんが口を開く。


「連絡先教えてくんない?」

「お断りします」


…いや、本当にありえない。


心の中でそう呟き、それでも笑顔で、なかなか引いてくれない彼に首を横に振る。

ピキっと少し顔がひきつり、彼のしつこさに限界が来る。


「連絡先教えて損は無いよ?」

「お断りします。私、運命しか信じないので」

「…は?」


私の言葉に主将さんは目を丸くして、間抜けな声を出す。


あー、最初っからこう言っておけば早かったかも。


呆気にとられたふうな彼を見ながら、さらに私は笑顔を濃くする。


「なのでいつかまた偶然お会いしたら、その時は考えます」


そう言ってぺこりとお辞儀をして、くるっと踵を返す。


どうせもう会うことはないだろうし、会ったとしても全国大会でくらいだ。

流石にそんな所で声などかけて来ないだろう。

そんな相手にちょっとくらい変な子だと思われたって、痛くも痒くもない。


そんなふうに得意げにモップで掃除していれば、近くにいた澤村先輩がブフッと吹き出した。


「…どうしたんですか、澤村先輩」

「いや、ちょっと、Aさんの返しが…面白くて」


言いながら、笑いの止まらない様子の澤村先輩。


「変な子だって思われたもん勝ちです、ああいうのは」

「助けようと思ったけど要らなかったな」


そう言って澤村先輩は面白そうにハハッと笑った。

そのよん→←そのに



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mifulu(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます! そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年4月18日 12時) (レス) id: ab7a8cd136 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 星猫さん» コメントありがとうございます! ここではなんですので、良かったらボードなどで話しかけて下さると嬉しいです。 (2020年4月18日 12時) (レス) id: ab7a8cd136 (このIDを非表示/違反報告)
- すごく面白いです、早く続きが読みたくなります (2020年4月18日 9時) (レス) id: 3219097ab0 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2020年4月13日 18時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mifulu | 作成日時:2020年4月6日 20時

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