そのに ページ2
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終始汗まみれになった烏野との練習試合は、三試合中六セットを取ってウチの全試合勝利。
何とか練習を終え、体育館の片付けをしていた。
学年関係なく、各々が好きなように交流している。
どこからかカオスな会話も聞こえてくるが、これからも交流が続いていけるような、そんな感覚にわくわくした。
高校生とは思えないレベルの会話を繰り広げている犬岡とチビちゃん、そしてそれを達観して見ている烏野の十一番の会話を軽く聞きながら、黙々とモップを掛けている彼女の元へと向かう。
「ねー、そこの烏野のマネちゃん」
そう呼びかけるとピタリと足を止める。
そして一度周りを見て、不思議そうにこちらに振り向いた、綺麗な形の彼女の目とばっちり視線がかち合う。
「…何かご用ですか？」
少しの間の後、今朝と同じ笑みを浮かべてそう言った。
「いや〜、お礼言いたくて」
そう笑って言うと、少し眉に皺を寄せ小さく右に首を傾ける。
「お礼、ですか？」
「そう。ウチのサポートしてくれてたのマネちゃんだろ？」
「ああ、はい」
そう笑顔で頷く姿に、自分の言葉が合っていることに少しホッとする。
「ありがとさん。いつも自分たちでやってるから、助かりマシタ」
「いえ、仕事なのでお気になさらず」
そう笑う彼女の纏う雰囲気は何となく、簡単に近づかせてはくれない感じだ。
ニコニコと見せてくれる感じのいい笑顔も、俺が話しかけてからほとんど崩れない。
「烏野はマネージャー二人？」
「はい」
また愛想のいい笑みを浮かべるが、受け答えをするだけで話を膨らませない。
…あー、これは難しそう、か。
「烏野マネちゃん」
「はい」
「連絡先教えてくんない？」
「お断りします」
俺の問いから彼女の答えまで、その間は僅か二秒程。
考える暇もなく、さっきと同じ笑顔でばっさりと切られる。
「えー、そんなもうちょっと考えて」
「お断りします」
「マネちゃんと仲良くなりたいだけなんだけど？」
「お断りします」
引き下がらない俺に、首を縦に振らない彼女。
笑顔の攻防が続く。
「連絡先教えて損は無いよ？」
「お断りします。私、運命しか信じないので」
「…は？」
変わらぬ微笑みで発された言葉に思わず間抜けな声が出てしまう。
「なのでいつかまた偶然お会いしたら、その時は考えます」
俺が呆気に取られている間に、彼女はそう言って微笑むとくるっと踵を返す。
予想外の返答にまた興味が募るのだった。
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mifulu(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年4月18日 12時) (
レス) id: ab7a8cd136 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 星猫さん» コメントありがとうございます！ ここではなんですので、良かったらボードなどで話しかけて下さると嬉しいです。 (2020年4月18日 12時) (レス) id: ab7a8cd136 (このIDを非表示/違反報告)
る - すごく面白いです、早く続きが読みたくなります (2020年4月18日 9時) (レス) id: 3219097ab0 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年4月13日 18時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2020年4月6日 20時
