嘘つき 1 ページ8
貴女side
そう口からこぼれ落ちた。ふっと佑生をみると、ほんの一瞬、微かに笑ってこちらを見た。私はそれを見逃さなかった。この時、感じた。あ、やっぱり、好きなんだ。するとマスク越しに一言
佑「は………?」
と言った。私はなおも続ける。
貴「山畑の好きな人は、佑生か桃。多分ね」
佑「は…?ちょ、桃は私もそうかな……とは思ってたけどこっちは違う」
『こっち』その呼び方が引っかかる。そんな私の目を見ながら、佑生は続ける。
佑「こっちは、桃かAだと思ってた」
貴「は…?私?ありえない。私は、佑生70%、桃30%だと思う」
ああ、もうバカすぎる。自分で話題を引っ張り出しときながら、自分が傷ついてるなんて。それでも、私の口は止まることを知らない。
貴「だって、佑生と話してる時の山畑、とっても楽しそう」
佑「えっ……?ちょっと待って!ありえないから!」
と慌てたように訂正する。ああ、こんな状況なのに可愛い。こりゃ、山畑が好きになるのもわかる。佑生はこっちを心配そうに覗き込んで言った。
佑「っていうか、そんなこと言ってて、Aは辛くないの?」
図星だった。心の中を読まれたかと思った。辛いよ、辛いよ、いやだよ。けど、そんなことを言えるくらいの強さを持ち合わせていないから。
貴「辛くないよ………」
あ……言っちゃった。佑生は驚いたようにこちらを見ている。元から大きい目をもっと開いて。本当は、泣き崩れてしまいたい。けど、ずっと佑生は私を応援してくれてた。山畑への気持ちを抱きながら。きっと辛かったと思う。だから、今度は私が辛くなる番だ。だって、2人は両想いなんだから。私一人が身を引けばいいこと。誰でも分かる。ねぇ、佑生、ごめんね。私は、嘘をつきます。ごめんね、けど、きっと幸せになれるから。
貴「だって………」
佑「だって…………………?」
私はすっと宙を見た。そして、嘘を吐き出した。
貴「もう……山畑を、好きじゃないんだ」
すると、佑生はさらに目を大きく見開いた。
佑「えっ…………?!」
貴「ふふ………びっくりした?」
佑「え……でも、いつ、から…?」
貴「2,3ヶ月前くらいかな?」
佑「そうなの?」
貴「うん。なんか、興味なくなったっていうか……新しくできたの、好きな人」
佑「えっ?」
貴「私がすぐ冷めるって知ってるでしょ?」
佑「うん。……本当に?嘘、じゃない?」
貴「うん、本当」
そして、ずっと気になっていたことを聞いた。
貴「佑生は…変わった?」
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mifulu(プロフ) - 皆さん、すみません…。ギリギリまで描ききって無いですが、新しいのを作らせていただきます。また後ほどここにお知らせを載せますので、少々お待ちください…。本当にすみません… (2016年8月26日 22時) (レス) id: 5b4cd55ff2 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー畑(プロフ) - 随分 時間飛びましたね! 勿論 気になるのは 相手は 誰?ですよね 相思相愛だった主人公と山畑 ですよね! まさかと思いますけどあの1シリーズに出てきたモブキャラの男の子とかないですよね 主人公と山畑今度こそ幸せになってね 山畑君は気が多かったし お幸せにね (2016年6月29日 18時) (レス) id: 30de297729 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - ありがとうございます。確かに書きながら少しいらっときました……ww (2016年6月27日 23時) (レス) id: 29f4278fd3 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー畑(プロフ) - 追記 なって 主人公の気持ち知ってたのに この人違う人好きでしたよね 主人公にとって一番慰めてもらいたくなくてずーと幸せだった人に 分かるの? 主人公気を抜かないで 佑生油断ならないからね 主人公 ツラい思いした分 報われて欲しいです♪ (2016年6月26日 14時) (レス) id: 30de297729 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー畑(プロフ) - 主人公 いい子ちゃんすぎるよ泣 私は意地悪だから もしかしたら告白受けるかもと 心配して待ち伏せしてたんじゃないの?私が腑に落ちないのは主人公が手紙を書いたら 同じ時に佑生も告白した事です 多分主人公が告白する事予想してたんでしょうね 先回りし 奪って幸せに (2016年6月26日 14時) (レス) id: 30de297729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mifulu | 作成日時:2016年2月7日 22時