気持ちの変化 5 ページ6
茉莉side
大「山畑じゃ……ない……」
そういったときの山畑の顔はきっと忘れない。ううん、忘れられない。だって、あれだけ悲しそうに顔を歪ませたのを初めて見たんだもん。いつも楽しそうに笑ってたから、そんな顔見たことなくて。ごめんね、ごめんね。けど、振り向いて欲しいの。こんなの間違ってるってわかってるし、Aと山畑が両想いなのもわかってる。でも、そんなので諦めることができるほど偉くはなくて。
山「そっか…………」
と、山畑は悲しそうに笑った。何で……何で、何で? 何で笑ってるの? 何で泣かないの? 何で私がこんな気持ちになってるの? こうなるってわかってたじゃない。なのに、何でこんなに後悔しているの……?
山「ありがとう……相談に乗ってくれて。教えてくれて」
違う、私はそんないいことしてない……のに、笑いかけて、お礼なんか言って。バカじゃないの……?
山「ごめん、もう、暗くなったし帰るね。大川も早く帰ってね。って、こっちは言えないけど」
大「ううん、ありがとう。もう、私も帰るよ。あ、鍵は置いといて。返してくるから」
山「本当? 」
大「うん」
山「でも、引き止めたのはこっちだから………」
大「いいよ、ちょっとまだ用あるし」
山「そう? じゃ、お願い」
そう言って荷物をとると、ドアの方へ向かった。
山「じゃあ、さよなら」
大「うん、バイバイ」
山畑が出て、教室には私一人。そっと窓の方を見やると、もう日も暮れかけていた。
この一年間ずっと、出会っては間もないけど山畑だけを想い続けてきた。ちょっとでも、見てくれるように、そばに居たいから、私は彼に話しかけたり頑張ってた。だから、2人が両想いだって気づいて、辛くて、悲しくて、悔しかった、どうにかしたかった。でも、本当にこれで良かったの? あんなに傷つけて良かったの? あんな顔させて良かったの?
そう考えていると、机に置いていた手の甲に冷たい雫が流れた。
大「えっ…………?」
ハッとしてそこを見る。私……泣いてる? 私が……?泣く必要なんて、泣く理由なんて、泣く権利なんてないのに。何で? しかし、そう思ったところで涙は止まる気配すら見せなかった。泣きたくない泣きたくない、泣きたくない……!けど、やっぱり、辛いんだ…
何をしようと……あなたが……山畑が……好きだから……!
大「好き…………」
ふと、零れ落ちる私の想い。ごめんね、傷つけちゃって。けど、まだ、止まらないみたい。
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mifulu(プロフ) - 皆さん、すみません…。ギリギリまで描ききって無いですが、新しいのを作らせていただきます。また後ほどここにお知らせを載せますので、少々お待ちください…。本当にすみません… (2016年8月26日 22時) (レス) id: 5b4cd55ff2 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー畑(プロフ) - 随分 時間飛びましたね! 勿論 気になるのは 相手は 誰?ですよね 相思相愛だった主人公と山畑 ですよね! まさかと思いますけどあの1シリーズに出てきたモブキャラの男の子とかないですよね 主人公と山畑今度こそ幸せになってね 山畑君は気が多かったし お幸せにね (2016年6月29日 18時) (レス) id: 30de297729 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - ありがとうございます。確かに書きながら少しいらっときました……ww (2016年6月27日 23時) (レス) id: 29f4278fd3 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー畑(プロフ) - 追記 なって 主人公の気持ち知ってたのに この人違う人好きでしたよね 主人公にとって一番慰めてもらいたくなくてずーと幸せだった人に 分かるの? 主人公気を抜かないで 佑生油断ならないからね 主人公 ツラい思いした分 報われて欲しいです♪ (2016年6月26日 14時) (レス) id: 30de297729 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー畑(プロフ) - 主人公 いい子ちゃんすぎるよ泣 私は意地悪だから もしかしたら告白受けるかもと 心配して待ち伏せしてたんじゃないの?私が腑に落ちないのは主人公が手紙を書いたら 同じ時に佑生も告白した事です 多分主人公が告白する事予想してたんでしょうね 先回りし 奪って幸せに (2016年6月26日 14時) (レス) id: 30de297729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mifulu | 作成日時:2016年2月7日 22時