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静かだった部屋がバラエティ番組の派手な色の絵の具が混ざったようなタレントたちの騒がしい声で満たされていく。その混沌がかえって、私に静寂を感じさせた。
私はテレビを頬杖をついて寝ぼけ眼でぼうっと眺めながら(実際にはそちらに無の視線を注いでいるだけで、それが何の番組なのかもタレントたちが何について話しているのかも、なにひとつ情報を得る気もない。)、こんな風になってしまっている自分を励ます言葉なんかを頭の中で並べてみる。
大倉くんとは知り合ってから何年でもない。たった数ヶ月で、私は案外彼について知らないことだらけだし、だから亮の時とは違うの。
亮のときよりずっとずっと簡単に、風化させることができるはず。私なら、きっとできる。
だから、そんなに暗い顔をしないで。仕方ないでしょう？自分が決めたことなんだから。
そう、と私は思った。
そう。いつだって、決めてきたのは私自身なのだ。
たとえ結果論だとしても孤独を選んできたのは、私自身。それは以前も考えたこと。たらればは無効。
だから。ねえ。もうすこし、しっかりしてよ。
きっとまた、しあわせに恋をできる相手が見つかるはず。
恋愛は生きている間に一度きりしかできないわけではないから。今の恋で弾かれものになったって、次はきっと、上手くいく。
そんなことを言っていたのは、皮肉にも、大倉くんで。私はちょっと笑ってしまう。
好きでいることをやめるのが難しいことは亮の時でよく学んだけれど、恋を終わらせるのは多分それより、ずっとずっと簡単なんじゃないかと思う。そう思わずにはいられない。
ふたたびリモコンを手に取り、テレビを消す。ぷつんという音ともに混沌は途切れた。
すこし早いけど、今日はもう寝てしまおうかとゆっくり立ち上がった時に、ダイニングテーブルの椅子に置いてあったバッグの中から携帯が短く音を鳴らしたから、
腕を伸ばしてバッグの中を探り薄くて硬いそれを取り出すとぱっと画面が明るくなる。
『明日あいてたりする〜？』
重なったいくつかの通知の一番上に乗っかっていたのは安田くんからのメッセージだ。
『もしよかったら夕飯でも一緒にどおかなーて』
また続けて、ブブ、と携帯が振動した。
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蒼 夢見子(プロフ) - らてさん» らて様、初めまして。そう言っていただけてとてもうれしいです…！ありがとうございます！以前に比べると書くスピードが遅く滞りがちですが新しいものも完結できるよう頑張ります…！！ (2021年2月8日 20時) (
レス) id: 3ff9e3c936 (このIDを非表示/違反報告)
らて(プロフ) - はじめまして。蒼 夢見子さんの書く文章、表現、言い回し、描写がとても好きです！素敵なお話をありがとうございました。新作も楽しみにしております！ (2021年1月26日 13時) (レス) id: d5862e85a0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 夢見子(プロフ) - まゆ☆まゆさん» まゆ☆まゆ様、読み返していただけるなんてありがたすぎます…！ありがとうございます（涙）たいしたものではないのですがすこしずつ書き留めていてきちんと清書できたら公開しようかなと思っています。いつになるかわかりませんが気長にお待ちいただけると嬉しいです！ (2019年4月9日 20時) (レス) id: 5ab3a36ba5 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ☆まゆ(プロフ) - 久しぶりにキュンキュンしたくて読み返しました。何度読んでも素敵です！続きが下書き中になっていたのですがまだ続きがあるんですか？もしあるのならばすごく楽しみです(≧∇≦) (2019年4月9日 18時) (レス) id: 8a01f69d5a (このIDを非表示/違反報告)
蒼 夢見子(プロフ) - ちいさん» ちい様、きゅんきゅんしていただけてとっても嬉しいです…！いつになるかはわかりませんが、私も是非またふたりを描けたらいいなと思っているのでその時には読んでいただけるとありがたいです^^ (2019年2月4日 19時) (レス) id: 0c7f8e1b68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 夢見子
| 作成日時：2019年1月5日 23時
