完璧少女は造られた【鬼滅の刃】第一章

・幻の呼吸　捌ノ型 ページ46

煉獄Side



猗窩座が俺の目の前まで来たその時、淡い黄色に輝く刀が猗窩座の頚まで飛んできた。



［幻の呼吸 捌ノ型 幻妖の怪物］



正確すぎる太刀筋



しかし見上げればA少女がまるで別の何かに変わってしまったかのようだった。


猗窩座「かっ…！！」


刃を押し込んでいくその姿は無慈悲に見える。
綺麗な金のように輝いていた瞳もくすんでいるようだ。



猗窩座「オオオオオ！！！」



煉獄「！！」



猗窩座「退けぇぇええ！！」



しかしA少女は涼しい顔をして猗窩座を掴んだまま放さない。

その目は鋭く光り気を抜けば身震いしてしまいそうだった。


それよりもあの刃を押し込まなければ…！！



［炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり］


竈門「伊之助動けーーーっ！！！
煉獄さんとAのために動けーーーっ！！！」



嘴平「！！」






［獣の呼吸 壱ノ牙］



［穿ち抜き…］



すると猗窩座は足に力を入れその場から腕を引きちぎって頚を斬られるのを回避した。

既に東からは日が出始めている。




［幻の呼吸 漆ノ型…］



未だに猗窩座を逃がすまいとしているその小さな少女を止めた。



煉獄「A少女！止まれ！君はもう限界を超えている！！」



無理矢理に腕を掴んで引き戻すとA少女は糸が切れたようにその場に倒れてしまった。



A「ゲホッゴホッ、あぐっ……ガッ」



苦しむA少女の横を一つ刀が勢いよく飛んでいき鬼に刺さったような音が聞こえた。




竈門「逃げるな卑怯者！！逃げるなァ！！」



竈門「いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ！！
生身の人間がだ！！
数だって簡単には塞がらない！！失ってた手足が戻ることもない！！
逃げるな馬鹿野郎！！馬鹿野郎！！卑怯者！！
お前なんかより」



竈門「Aと煉獄さんの方がずっと凄いんだ！！
強いんだ！！
Aも煉獄さんも負けてない！！誰も死なせなかった！！
戦い抜いた！！守り抜いた！！」



竈門「お前の負けだ！！煉獄さんとAの勝ちだ！！」



竈門少年はそう叫んだ。

そんな竈門少年に俺は笑いかけて



煉獄「もうそんなに叫ぶんじゃない
腹の傷が開く。君も軽傷じゃないんだ。
竈門少年が死んでしまったら俺たちの負けになってしまうぞ。
こっちにおいで」



竈門少年は泣きながらも素直に俺のそばに近寄った。

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