・憎悪 ページ13
Aの言う通り西には鬼の気配が他より強くあった。
時透「A、ここら辺で二手に……」
いきなり目の前に鬼の拳(昆布)が飛んできた。
「チッ、避けられた…」
鬼には下弦の壱と刻まれた眼の上にばつ印があった。
元十二鬼月ってところか……
「ん?お前ら柱か…柱を殺せば俺はまた十二鬼月に戻れる!!」
時透「いや君は今日死ぬから無理だよ」
「その女だけでも殺せれば万々歳だろ」
鬼はAのことを言っているらしい。
Aは鬼の話をまるで聞いていないように鞘から淡い黄色に輝いている刀を抜いた。
A「……ちゃんと自分の立ち位置理解してる?」
鬼を鋭く睨みつけるAから発せられた言葉は初めて敬語ではない冷たい声色だった。
A「元は下弦の壱だったといっても所詮は落ちこぼれでしょ?
今はもう雑魚鬼同然なんだから柱に勝てるわけないじゃん」
Aの声に初めて感情が宿っているような気がした。
「っお前…」
A「ああ、気に触るようなこと言っちゃった?
でも事実だから仕方ないよね」
表情こそ変わってないけど、憎悪を露わにしているのは僕でもわかった。
時透「…そろそろ良い?」
Aの言動には驚いたけど任務だから鬼を斬らないといけない。
【血鬼術 夜星】
[霞の呼吸 弐ノ型 八重霞]
[幻の呼吸 壱ノ型 幻の聖雲]
鬼は血鬼術を破られたことに少し驚いたらしいが、考え方を変えたのかAに向かって行った。
[伍ノ型 蹶起変幻]
気づけば鬼の頚は地面に転がっていた。
綺麗な太刀筋だったな……
鬼が塵になったのを見てからAは刀をしまった。
一点を見つめる睫毛の長い瞳はとても綺麗だった。
A「ッ!?ヴッ…」
時透「っA……!?」
いきなりAが左手首を押さえてその場で蹲ってしまった。
暫くして呼吸が落ち着いてきたのと同時にAは左手首を羽織の袖で隠した。
時透「ねえ…」
左手首を見ようとしてもAは頑なに左手首を見せようとしなかった。
このままではラチが開かない。
僕はAに手刀して無理矢理、意識を手放させた。
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sayuri - イメ画うますぎ (2021年10月22日 11時) (レス) @page2 id: 08ede09a98 (このIDを非表示/違反報告)
みかんといちご - 鬼の昆布ww鬼さんそんなの持ってたの!?←人のお肉に飽きたかなっ☆めっちゃ笑いそうでしたww (2020年8月28日 22時) (レス) id: 085b083a26 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リュウさん» ありがとうございます!とても嬉しいです! (2020年5月2日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - こんにちは!とっても面白いです! (。∀°)コンブゥ (2020年5月1日 22時) (レス) id: 34e5e3f3ce (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 津鬼流さん» 良いですよ!昆布教へようこそ!あなたも私もこ〜んぶ♪コンブゥ(°▽°) (2020年4月21日 8時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2020年3月26日 12時