07.連係 ページ9
「____ いいのか? 田中入れて。戦力になるだろ」
菅原が閉じられた体育館の扉を見ながら澤村に言う。私は田中を入れることよりあの二人の方が心配なんだけど。
あと私だけ他の一年の話されてない。
「____有力な第三者が居る方があいつらが如何に連係
「……なんかさー、あいつらにキツイんじゃねー? 大地。主に影山にー」
「たしかにいつもより厳しいっスね大地さん」
「まあ厳しいのはいつものことなんだけど。今回はズバ抜けてる」
「なんか特別な理由でもあんの?」
「……お前らも去年のあいつらの試合見たろ」
澤村が眉を下げて話を切り出した。
「影山は中学生としてはズバ抜けた実力を持ってた筈なのに、いまいち結果は残せていない。そんであの個人主義じゃ中学のリピートだ。チームの足を引っぱりかねない。……でも中学と違うのは、今影山と同じチームに、日向がいる」
「……日向君……」
「日向?? まあ確かに運動神経のカタマリって感じですけど……」
「うん、実力はまだまだだよな。でも、類い稀なスピードと反射神経を持ってて加えてあのバネだ。でも中学では満足なトスを上げられるセッターに恵まれなかった。対して影山は高い技術を持ったセッターで、自分のトスを打てる“速い”スパイカーを求めてる。
あいつら単体じゃあ不完全だけど、才能を合わせたら____
「そう思わないか」と言う澤村に、ちょっと期待に胸が膨らむのと同時に、少しだけ嫌な予感がした。
すると、田中がいきなり「う、オフンッ!」と変な声を出した。
「ん゛ん゛っ、ん゛っほんっ」
「……風邪でもひいた?」
「ひいてないっス! 心配してくれてるんスか、Aさん!」
「……」
「引き顔興奮す……って、んんんっ!!」
マジで何がしたいのだろうか。田中は。
喉が痛いのか……。
「明日も朝練は七時からですよねーっ!?」
「え、うん、そうだけど」
「何を当たり前のことを……」
「イキナリ何だよ」
「エッ、いや、あっきょっ、教頭のヅラは無事だったんスかね!?」
「なに? ヅラぶっ飛ばしたの? ウケる」
「顔がウケてないんだよな浦塚」
46人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時