いつかまた会えたら。【ハイキュー!!】

42.最強の囮 ページ45

さすが超攻撃的セッターというべきか、更にはブロックもうまいこと一枚にし、青城と二点差が開く。


それから、青城のエースのスパイクで三点差になり、ここで烏野はタイムアウトをとった。





「……やっぱ青城ってすごいですね」




ギャラリーの柵にもたれかかってそう呟く。




「すごくなんか、チームって感じ」




プレーが進み、西谷と日向が入れ替わり日向がコートに入る。




「めいっぱい」




日向が変人速攻の時によく使う、コートの端まで移動する＿＿＿＿ワイド移動攻撃(ブロード)。





「ナイスキー日向ァァァァ！！」


「翔陽ーッ！！」




日向がコートを走り回る度、相手は日向(囮)に捕まり、崩されていく。




「持って、来ォォオい！！」


「＿＿サボるなんて、一切頭に無いやつも居るみたいだな」




滝ノ上さんが呆れたように、感心したように言う。

そう。日向はそれでいい。




「フリーで打たしてったまるかっ！！」




相手が日向を止めようと、躍起になればなるほど、




「ブロック一枚！！」



得点はこっちのもんになる。

＿＿＿東峰の中央バックアタックが決まった。




「！！ パイプ貫通っ！！」


「ナァイスキィー！！」



「くっそ……！！」


「スマン完全に釣られたっ……！」




さすがだ。すごい。やっぱりすごい。
気持ちが段々と高ぶっていく。興奮して頬に熱が集まるのがわかる。





「＿＿＿“最強の……囮”……。これでっ、同点……！」


「青城これで、余裕無くなった！」




青城はタイムアウトを取った。

青城にタイムアウトを取らせ、今同点。




「がんばれ……がんばれ……」




＊


タイムアウトが終わり、試合が再開される。

また日向が移動攻撃(ブロード)しようとすると、青城は誰もブロックしようとしてこなかった。




「！？ 十番ノーマーク！？」


「ブロック諦めたのか！？」




＿＿＿＿＿いや




「よっしゃフリーで行ったれ、日向ァァァア！！」


「リベロ……！」




日向が打った先に青城のリベロがいて、拾われてしまった。

わざとノーマークなのかもしれない。リベロに拾わせるために、リベロの視野を広げるために、わざとブロックを配置してない。


ここで、及川さんのツーアタックが決まった。





「ほんっと、性格悪いな、あの人……」

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