03.いつもの日々 ページ5
「浦塚ー！ 帰ろうべ！」
「ちょっと待ってー」
部活が終わり、制服に着替えて鞄を引っ掴んで菅原のところに走る。
「Aと菅原はいつ付き合うの？」
「いや、たまたま帰り道同じなだけだからね？ 男女が一緒に歩いてたら付き合ってる理論やめよう？」
去り際に私に耳打ちした潔子にそう言う。
私と菅原は中学が同じ長虫中だから、家が近くて自然と一緒に帰るようになっただけだ。
それに同じクラスだし。
「じゃ、潔子。また明日ね」
「うん、また明日」
「潔子さん、一緒に帰りませんか！！」
「帰らない」
「拒否潔子さんも美しいっス！」
「……」
「ガン無視興奮するっス！！」
そんな田中と潔子のやりとり(？)を背後に感じながら、もう一度菅原のところに走る。
潔子も大変そうだなあ……。
「田中もよくやるよな。相変わらずのメンタルの強さ……」
菅原が田中を見ながら苦笑する。私もそれに頷く。田中はメンタルという面においては世界一を誇るだろう。
「帰ろ」
「そうだな」
外靴に履き替えて、二人並んで暗くなった道を歩き出す。気付けば高校三年生。この時間も、あとどれくらい続くだろうか。
「一年生、どんくらい入ってくるかなー」
「三か五人くらいでしょ」
「さすが浦塚。現実的。あとその表情筋の硬さ。清水と浦塚がもう少し表情豊かだったらマネージャー力で部員数稼げると思うんだけど」
「残念ながら元々こういう顔なんだよ、諦めて」
「くっそ」
わざとらしく拳を握る菅原を見ながら、こうして馬鹿できるのも高校生までなのかな、となんとなく考える。
元々大学受験に対しては人より意識してたつもりだけど、三年生にあがると、その意識がさらに強くなった。
「菅原はさ、進路のこと何か考えたりしてる？」
「いきなり受験の話？ 浦塚、頭いいもんな」
「菅原だって進学クラスじゃん」
「そうだけど、お生憎浦塚ほどの頭は持ってないな」
「で、考えたりしてるの？」
再び訊くと、菅原は「うーん」と頭をひねって唸った。
暫く経ってから、「さあ」と零す。
「まだわかんないな、自分の将来とか。浦塚は？」
「今はS大の薬学部志望」
「めっちゃしっかりしてる……。てか、薬学部？ 大変そうだな」
「お父さんが医者でお母さんが薬剤師だから、殆どその影響だけどね。……あ、そうだ」
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです！ 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年5月4日 8時
