10.県のベスト４ ページ12
「へぇ。練習試合組めたんだ」
塾から帰ってお風呂とご飯を済ませ、予習復習を終えた頃、菅原から電話がかかってきた。
ちなみに三対三の試合は日向影山チームの勝ちだったらしい。これで影山のセッターポジションは安泰だ。
「ちなみにどこと？」
『青葉城西』
「へー、青城か…………は？」
青葉城西。青葉城西。……青葉城西。
「四強じゃん、青城って。どう組んだの。……もしかして、また武田先生土下座したの？」
『今回は土下座してないって言ってたべ』
「今回“は”って……」
本当に武田先生は謝ったりとか土下座したりだとかが得意だから泣けてきてしまう。
日向と影山が初めて体育館に来た時に教頭にやらかした時も武田先生が謝ってて、しかもお辞儀が高速すぎて残像が見えてたし。
「まあ、良かったね」
『うん、まあ……俺は試合でないけど』
「え、なんで？」
『練習試合の条件として、“影山をセッターとしてフルで出すこと”っていうのがあって……』
「……いいの？ 個人にしてもチームにしてもナメられてるようなもんでしょ」
『ちょっと悔しいけど、日向と影山の攻撃が四強相手にどれだけ通じるのかが見たくて。浦塚、今日途中で抜けたから見てないだろ。アイツらの速攻』
「その言い分ってことは凄い速攻なんだ。……ふーん、楽しみにしてる」
それを言ったあと、口から欠伸が出てきた。
時計を見れば、既に二十三時を三十分近く過ぎていた。
『眠そーだな。そろそろ寝るべ？』
「うん寝る……。おやすみ」
『おやすみ』
電話を切ってアラームを設定し、倒れるようにベッドの上にダイブした。
青葉城西か……。行きたいような行きたくないような……複雑な感じ。
＿＿＿＿『自分でちゃんと選んでください。自分で決めた道を、誰のせいにもすることがないように』
苦い思い出が頭をよぎる。自分の能力を過信していたあの頃。人は何もかも上手くいくわけじゃない。
その現実を、私は痛いほどに理解している。
＊
「日向……これ飲む？ まだ口つけてないから……」
「う……すみませんAさん……」
練習試合当日。緊張のあまりバスの中で日向が田中の股間にゲロをリバースした。
練習試合の直前になっても気持ち悪そうにしているので鞄の中に入れてきたアクエリアスを手渡したのだが、未だに日向は『リラックスがんばりますっ！！』と、頑張れることではないことを頑張ろうとしている。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです！ 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年5月4日 8時
